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【試乗】新型 テスラ モデルY|もはや走りにも文句はなくなり全方位進化でBEV最強の1台へ!
カテゴリー: テスラの試乗レポート
タグ: テスラ / クロスオーバーSUV / 2WD / 4WD / モデルY / EDGEが効いている / 島下泰久
2025/05/21

新鮮味あるスタイルとユーザビリティなインテリア
ずいぶんイメージが変わったなというのが、初の大規模なアップデートを受けて登場した新しいテスラ モデルYの第一印象。5ドアボディのSUVフォルムに大きな違いはないが、細くシャープなヘッドライトにより顔つきはグッと未来的になり、左右のテールランプを間接照明でつなげたリアの新しいハイテク表現も目をひく。手数以上に新鮮味を感じさせる変更は巧みだ。
シンプルとも殺風景とも言えるインテリアの雰囲気は従来と大きくは変わらないが、従来型をよく知る人でも、シフトセレクターすら備わらないことには面食らうに違いない。実際には一応、頭上にスイッチが備わるのだが、これはあくまで予備。前進、後退などの切り替え操作も、基本的には15.4インチの大型ディスプレイ内のスイッチで行なう。
これらは基本、先に刷新されたモデル3に準じたものだが、ひとつだけ異なるのがモデル3ではウインカー操作がステアリングスイッチ内蔵だったのに対して、通常のレバーが備わることだ。ユーザー層に鑑みた変更とのことだが、モデル3のそれがあまり好評ではなかったのだろう。
ユーザーときちんと対峙しているなと感じさせるのはシートについても同様で、前後席ともシートのサイズが大きくなり、リアには空調などの操作ができる8インチのディスプレイも追加されているなど、居住性や使い勝手がしっかり向上している。
荷室の床面がきわめて低く、後席をすべて折り畳むとほぼフラットになり、容量実に2138Lもの大空間が生まれるのは従来どおり。エンジンを積まないフロントにも117Lの荷室が備わる。BEVのメリットをフルに生かした空間設計は見事というほかない。


フラットな乗り味で疲れ知らず
試乗したのはロングレンジAWD。その走りっぷりも文句をつける余地はない。前面に出ているのはBEVらしい静かさ、滑らかさ、そして力強さ。ギガキャスティングを活用した車体の剛性感はきわめて高く、乗り味は非常に洗練されている。
アクセル操作に応じたリニアな加速感も魅力だ。前後モーター出力を合計すると514psにも達するが、普段の走りはジェントル。もちろん望めばすさまじい加速も披露するが、これだけ余裕があると、あえてそんなふうにひけらかそうという気にならない。
ステアリングフィールはデジタル的だが、そういうものだと思えば反応自体は正確。狭い山道でもサイズを意識させない。フラットな乗り味は疲れ知らずで、面白いかどうかはともかく、完成度はきわめて高い。

そして運転支援装備の充実ぶりである。速度にしても操舵にしても制御は非常に緻密で、オートパイロットという言葉に惑わされさえしなければ、とても信頼に足り普段から積極的に使いたくなる。
満充電からの航続距離は従来より30km増の635km。しかも専用急速充電器のスーパーチャージャーは最新のV4なら約15分の充電で267kmの走行を可能にするから、もはや充電はそれほど大きな問題ではなくなりつつあると言っていいだろう。BEVとしてハードウエアだけじゃなく、こうした使い勝手の面でも、目下最強の1台であることは間違いない。
価格はロングレンジAWDで647万6000円。エントリーのRWDなら558万7000円で、いずれもCEV補助金は87万円にもなる。東京都在住ならZEV補助金は最大80万円にもなるから、つまり実質400万円少々から手に入れられるのだ。正直、ライバル不在である。
実は新型モデルYは、先に登場した改良型モデル3の進化ぶりを体感して以来、デビューを心待ちにしていた1台。引っかかっていたのがヌメッとした外観デザインだったので、新型はそれだけでも買いだと言いたい。しかしながら今のこのご時世、個人的には何となくイーロン・マスクの顔が浮かぶとテンションが……という新たな問題の噴出に、悩ましい日々が続いているところなのだ。





従来型のテスラ モデルYの中古車市場は?

BEVブランド「テスラ」のミドルクラスSUV、日本には2022年6月に導入された。1基のモーターで後輪を駆動させるRWDと、前後1基ずつのモーターの4WDとなるパフォーマンスをラインナップ。先進運転支援システムのオートパイロットだけでなく、ブランド共通のシンプルなインテリアやスマートフォンとの連携などもポイントとなる。
2025年5月中旬時点で、中古車市場には85台程度が流通。支払総額の価格帯は340万~780万円となる。
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