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トヨタ スープラ(A90型)生産終了の発表に絶望した人に贈る「代わりコレ、新車在庫がなくなったときに備えてどうですか?」5選
カテゴリー: 特選車
タグ: トヨタ / 日産 / マツダ / BMW / ポルシェ / アルピーヌ / クーペ / ロードスター / フェアレディZ / スープラ / A110 / 718ケイマン / M2クーペ / 伊達軍曹
2025/05/02

残念ながら2026年4月をもっての生産終了が決定
2002年に先代モデル(A80型)の生産が終了していたトヨタ スープラが、17年の時を経て国内市場に復活したのは2019年5月のこと。可能な限りホイールベースを短くし、可能な限りトレッドを広くした現行型スープラ(A90型)は、BMW製3L直6ターボ/直4ターボなどとともに「異次元の」とも評せる運動性能を炸裂させ、ポルシェ 718ケイマンなどの欧州列強に勝るとも劣らぬパフォーマンスを披露。ニッポンのスポーツカー愛好家に深く愛されてきた。
だが2025年3月には「A90ファイナルエディション」が発表され、同年4月には「2026年4月をもって生産を終了する」との旨も正式発表されてしまった。

とはいえまだまだ現行型スープラの新車在庫は存在しており、150台限定となった「A90ファイナルエディション」の抽選申し込みを行なった人も多いだろう。だが残念ながらファイナルエディションの抽選に外れ、なおかつ新車の在庫もなくなってしまったときに備え、今のうちから「A90スープラの代わりになり得るスポーツカー」を5車種、ピックアップしてみる。

▼検索条件
トヨタ スープラ(現行型・A90型) × 全国A90スープラの代わり①|ポルシェ 718ケイマン(現行型・初代)
→想定予算:総額600万~1000万円
現行型トヨタ スープラおよび姉妹車であるBMW Z4にとって直接の開発ターゲットだったのがこちら、ポルシェのミッドシップスポーツである「718ケイマン」だ。

A90スープラ(と現行型BMW Z4)は「打倒ポルシェ 718ケイマン」をテーマに開発を進めた結果、実際に動的性能の部分で718ケイマンを打倒できてしまった部分もある。仮に「打倒できた」が大げさだったとしても、「肩を並べた」という表現であれば、おおむね正しいはず。
であるならば、「A90型トヨタ スープラの代わり」としてポルシェ 718ケイマンを選択するというのは理にかなっている。なぜならば、両者は「肩を並べている」からである。A90スープラの走りも当然素晴らしいが、やはり718ケイマンの超高剛性で超低重心な乗り味はスポーツカーの理想像のひとつ。A90スープラの不在を補って余りあるものであることは間違いない。

ポルシェ 718ケイマンを狙う場合のグレード選択は、「どのスープラを買うつもりだったか」に応じて、おおむね下記のとおりとなるだろう。
●SZ-R(最高出力258psの2L直4ターボ)の代わりとして選ぶなら?
→718ケイマン(同300psの2L水平対向4ターボ):総額600万~800万円
●RZ(同387psの3L直6ターボ)の代わりとして選ぶなら?
→718ケイマンS(同350psの2L水平対向4ターボ):総額700万~900万円
●A90ファイナルエディション(同441psの3L直6ターボ)の代わりとして選ぶなら?
→718ケイマンGTS 4.0(同400psの4L水平対向6):総額1100万~1400万円
▼検索条件
ポルシェ 718ケイマン(現行型・初代) × 全国A90スープラの代わり②|BMW M2クーペ(現行型・2代目)
→想定予算:総額720万~900万円
現行型トヨタ スープラと同等または同等以上の走りを堪能できるという意味で、現行型BMW M2クーペも「代わり」として十分に機能するはずだ

通算2代目となる現行型BMW M2クーペは、日本へは2023年2月に上陸した高性能FRクーペ。
ボディサイズは全長4580mm×全幅1885mm×全高1410mmで、パワーユニットはM3およびM4の3L直6ツインターボエンジンに「S 58」に小変更を加えたもの。初期の最高出力は460psで、2024年10月29日以降の世代は同480psに強化されている。トランスミッションはパドルシフト付き8速ATの他、スープラと同じく6MTも選択可能だ。
タウンスピード時の乗り心地はさすがに硬いと感じる現行型BMW M2クーペだが、速度を上げていくにつれてフラット感を増していき、結果として「敏しょうだが、決して過敏ではない」というニュアンスの乗り味およびコーナリングフィールを堪能できる。回頭時のクイック感などはA90型スープラに軍配が上がるが、「公道をしなやかに速く走る」ことを目的とするのであれば――後席を備えているがゆえの実用性とも併せ、A90型トヨタ スープラ以上に満足できる場合が多いだろう。

直近の中古車価格はおおむね下記のとおりだ。
●460ps世代(8AT):総額720万~900万円
●460ps世代(6MT):総額730万~900万円
●480ps世代(8AT):――(ほぼ流通なし)
●480ps世代(6MT):――(ほぼ流通なし)
▼検索条件
BMW M2クーペ(現行型・2代目) × 全国A90スープラの代わり③|日産 フェアレディZ(現行型・8代目)
→想定予算:総額520万~1200万円
立て続けに輸入車をピックアップしたが、当然ながら国産スポーツカーにも「A90型スープラの代わり候補」は存在する。最も有力な候補は現行型日産 フェアレディZだろう。

2022年夏に発売された現行型日産 フェアレディZは、ご承知のとおり1969年に登場した初代フェアレディZ(S30系)から数えて7代目にあたるFRスポーツ。ボディサイズは現行型トヨタ スープラにおおむね近い全長4380mm×全幅1845mm×全高1315mmで、パワーユニットは最高出力405psを発生する3L V6ツインターボ「VR30DDTT」。トランスミッションは6MTと9速ATの2種類が用意されている。
ボディサイズは(おおむね)A90型スープラと同等の現行型フェアレディZだが、ホイールベースはスープラの方が圧倒的に短く、また3L同士でパワーユニットを比較した場合も、スープラの3L直6ターボの「洗練」というニュアンスに対し、フェアレディZ の3L V6ツインターボからは「豪快」という漢字二文字を感じる。
そのため、とにかくクイックで素早いリアルスポーツ的な走りを求めたい場合にはA90型スープラが適任であるはずだが、リアルスポーツというよりはGT(グランドツアラー)的な資質を堪能したい場合には、むしろフェアレディZの方が満足できる場合も多いはず。
このあたりの価値基準は人ぞれぞれだが、いずれにせよ現行型日産 フェアレディZはきわめて魅力的なGT性能と内外装の美しいビジュアル、そして1969年から続く「伝統」を味わえる1台として、現行型トヨタ スープラに負けないレベルの魅力を備えている。

走行1万km台までの物件に絞った場合の中古車価格は、おおむね下記のとおりだ。
●ベースグレード:総額520万~680万円
●バージョンT:総額530万~650万円
●バージョンS:総額570万~760万円
●バージョンST:総額580万~870万円
●NISMO:総額850万~1200万円
流通量が圧倒的に豊富なのは、NISMOを除いて考えた場合の最上級グレードであるバージョンSTで、他はやや希少。また値段は少々張るが「A90ファイナルエディション」の代わりとして考えるのであれば、総額1000万円前後のNISMOも相対的には割安と感じられるだろう。
▼検索条件
日産 フェアレディZ(現行型・8代目) × 全国A90スープラの代わり④|アルピーヌ A110(現行型・2代目)
→想定予算:総額640万~950万円
ここまでは強力な3L直6ターボエンジンを搭載する現行型トヨタ スープラRZまたはA90ファイナルエディションを念頭に置きながら、その「代わり」を探してきた。それゆえどうしても、同様に強力なパワーユニットを搭載している車種をピックアップする結果になった。
だが冷静に考えてみれば、もしもサーキットではなく公道での使用を目的とするのであれば、強力なエンジン=素晴らしいとも限らない。パワーユニットが強力すぎると、公道ではアクセルを踏める機会がほとんどなくなるため、「むしろつまらない」と感じてしまうことも多々あるのだ。
もしも公道において胸のすく走りを堪能したいのであれば、重視すべきはエンジンパワーではなく「軽さ」や「バランスの良さ」であるはず。であるならば、本当の意味でオススメとなるのはアルピーヌ A110なのかもしれない。

2018年6月にまずは「プルミエールエディション」の限定導入から始まったアルピーヌ A110は、全長4205mm×全幅1800mm×全高1250mmという比較的コンパクトなクーペボディの中央にパワーユニットを置くミッドシップスポーツ。そのエンジンは1.8L直4ターボという小さなもので、最高出力も252psでしかない。
だが初期型ベースグレードの場合で「車両重量1110kg」でしかない軽量ボディとそれが組み合わされたとき、400ps級エンジンを積むハイパワースポーツでは味わえない類の痛快さが発生する。
とにかくすべてが軽いため(しかもミッドシップでもあるため)、山坂道などを走る場合は当然として、街中で普通に発進し、普通に巡航し、たまに交差点を曲がったりしながら普通に赤信号手前で減速および停止するだけで、「なんじゃこりゃ!」と思わず叫びたくなるほどの快感を、ドライバーは得ることができるのだ。

もちろんA90型スープラのような中量級スポーツカーにも、それでなければ堪能できない“味”があるわけだが、もしも「自分は公道でしか乗らないから、ほどほどのパワー+軽量で好バランスなシャシーの方が気持ちよく感じるかも?」と少しでも思うのであれば、ぜひアルピーヌ A110の中古車に注目してほしい。もちろん世界的な名作スポーツカーゆえ安くはないのだが、総額700万円前後にて、前期型の低走行物件を見つけることができるだろう。
▼検索条件
アルピーヌ A110(現行型・2代目) × 全国A90スープラの代わり⑤|マツダ ロードスター(現行型・4代目)
→想定予算:総額200万~420万円
前章にて「公道では400ps級の最高出力はいらない。250ps級で十分だ」という旨を申し上げたが、さらに冷静に考えてみれば、250ps級であっても過剰なのかもしれない。
もちろん高出力エンジンならではの快感を否定したいわけでは決してない。だが、もしも今後A90型トヨタ スープラの新車を買うことができないタイミングが訪れたとしたら、それを高出力系スポーツカーの呪縛から解き放たれる好機ととらえ、「ミニマルなスポーツカー」の世界へ転身してみるのも悪くないのではないだろうか?
そしてもしもミニマルなスポーツカーの世界へ進むとしたら、とりあえず選ぶべきは現行型マツダ ロードスターしかないだろう。

ご承知のとおり現行型マツダ ロードスターは、1989年に登場した軽量オープンスポーツの世界的傑作である初代ロードスターから数えて4代目の、オープン2シータースポーツ。こちらのパワーユニットと車両重量は、アルピーヌ A110の「1.8Lターボ/252ps/1110kg」をはるかに上回る、というか下回る「1.5L自然吸気/132ps/1010kg(Sスペシャルパッケージ6MTの場合)」でしかない。
もしも0-400m加速勝負的なことをするならば、現行型マツダ ロードスターは世界中の多くのスポーツカーに負けるだろう。だが我々は普段、公道でゼロヨン勝負などいっさいしないし、もちろん「最高速勝負!」みたいなこともしない。
我々一般的なドライバーが公道で行っていることといえば、ごく普通に発進し、普通に直進したり曲がったりし、たまに少しだけ飛ばし気味にしたりなんかして、でもやっぱりすぐに速度を落とし、スムーズに減速させたうえで停止する――という一連の流れであるはず。
そういった一連の流れを気持ちよく行ううえでは――もちろんスープラだって悪くないわけだが、現行型マツダ ロードスターのような「車体が軽く、アクセルペダルを深く踏んでも大したスピードは出ない」という車の方がむしろ好都合なのだ。
もちろんスープラ的なスポーツカーの魅力を追い続ける人生も悪くはないし、素敵でもある。だが、もしもそこに飽きや疑問を感じ始めたならば、ロードスター的なるものに嗜好をシフトさせるチャンスかもしれない。

現行型マツダ ロードスターの中古車価格は走行1万km台までの物件に絞った場合でも、せいぜい総額200万円から。今すぐ買うかどうかはさておき、もしも思い立ったならば、すぐにでも行動に移せるはずの金額だ。
まだまだ先の話になるだろうが、A90型スープラが買えなくなったタイミングで、マツダ ロードスターのことをちょっと思い出していただけたら――と思う。
▼検索条件
マツダ ロードスター(現行型・4代目) × 全国
自動車ライター
伊達軍曹
外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツR EX Black Interior Selection。
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