スバル フォレスター(現行型)▲5代目の新車販売はすでに終了、もはや中古車でしか手に入らない

新型登場前夜の今だからこそ、5代目が狙い目!

2025年4月3日、6代目となる新型フォレスターが発表された。これまでの路線とは大きく異なる迫力重視のルックス、フォレスター初採用となるストロングハイブリッドは確かに魅力的だ。
 

スバル フォレスター(現行型) ▲新型フォレスター プロトタイプ試乗会の様子

だからといって、5代目フォレスターの魅力が色あせたわけでは全くない!
基本的なプラットフォームは新型に継承されたとおり優秀だし、デザイン的にもスポーティ&シャープで、いかにもフォレスターらしい。新型よりもむしろ5代目の方が好み……という人も少なくないのでは?

さらに中古車流通量は充実しており、中古車平均価格は安定的なダウントレンド。中古車としては今まさに脂がのってきたところ、と言っていいだろう。

今回は改めて5代目フォレスターのモデル概要を振り返ってみると同時に最新の中古車状況をチェックし、オススメの選び方を紹介していく。

スバル フォレスター(現行型) ▲荷室容量なども十分で、SUVとしての使い勝手にも優れている

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スバル フォレスター(5代目) × 全国
 

1.モデル概要:フォレスターは真のクロスオーバーSUVだ

フォレスター(5代目)がデビューしたのは、2018年7月だった。外観は4代目からのキープコンセプトで、精悍さとたくましさをあわせもったもの。競合となるミドクルラスSUVの多くが3列シートを採用する中で、あくまで2列シートのコンパクトなボディとし、軽快な運動性能と扱いやすさを重視しているところがフォレスターの特徴だ。

ボディサイズは全長4625~4640mm×全幅1815mm×全高1715~1730mmと、大きすぎも小さすぎもしないジャストサイズ。実はこの数値、新型と全長15mm、全幅15mmしか変わらず、ホイールベースも同一だ。つまり車内寸法については5代目と新型でほぼ一緒と推定できる。

スバル フォレスター(現行型) ▲オーソドックスなシンメトリーデザインとしつつ、大型のセンターディスプレイなどを採り入れたインパネ(写真は「エックスブレイク」)

フォレスター(5代目)に採用されているスバルグローバルプラットフォーム(SGP)の優秀さは定評あるところ。剛性感にあふれ、かつ広い車内空間が確保されている。正確なハンドリングはフォレスターの特筆すべき長所だ。ちなみにこのSGP、現行スバル車のほとんどに採用されており、4WD車だけでなくFF車にも、またガソリン車だけでなくハイブリッド車にも対応した汎用性の高いものとなっている。

7年弱続いたモデルライフの中で、何度か大きな変更が行われた。特に大規模なのは2021年8月のマイナーチェンジで、フロントマスクを含む外観が大幅に変更。先進安全装備の「アイサイト」が新世代へと変わった。この変更を機に前期、後期と分けることが多い。

スバル フォレスター(現行型) ▲荷室容量も5名乗車時で509Lと十分

搭載されるパワーユニットはデビューから2020年9月までのモデルが、2.5L水平対向ガソリンエンジンと、2Lガソリンエンジンにモーターを組み合わせた「e-BOXER」の2タイプ。「e-BOXER」は必要に応じてモーターが駆動力をアシストするもので、燃費性能の向上よりむしろ、加速性能の向上に主眼が置かれている。この点は新型に搭載されたストロングハイブリッドとの大きな違いと言えよう。

2020年10月以降のモデルでは2.5Lガソリンエンジンが廃止され、「e-BOXER」と、直噴1.8Lガソリンターボエンジンのラインナップに変更された。前述した外観の変更とエンジンの変更は別の時期に実施されており、前期型にも1.8Lガソリンターボ車がある点は覚えておきたい。

スバル フォレスター(現行型) ▲「e-BOXER」はトランスミッション直後にモーターを配置し、駆動をアシストする仕組み

駆動方式は全モデルとも前輪駆動をベースとしたアクティブトルクスプリット型4WD、トランスミッションにはスバルが水平対向エンジン用に開発したCVT「リニアトロニック」が採用されている。路面状況に応じて走行モードを切り替えることができる「X-MODE」など、走りをより一層楽しめる仕掛けも満載だ。

前期、後期を合わせた主なグレードは下記のとおり。

「ツーリング」:17インチタイヤを採用する標準グレード
「エックスブレイク」:オフロードを意識した内外装、機能を採用するグレード
「アドバンス」:18インチタイヤ、メッキのドアミラーなどを採用する上位グレード
「スポーツ(2020年10月~)」:ターボエンジン、スポーツ志向のサスペンションや内外装を採用するグレード
「STI スポーツ(2022年8月~)」:STIによってサスペンションなどがチューニングされた最上位グレード

 

2.中古車状況:流通量も価格帯も今が旬

さて、ここからは最新の中古車概況をチェックしていこう。中古車市場での流通量はここ数年、順調に増え続け、現時点で1000台を突破。時期により多少の変動はあるものの、おおむね選びやすい状況と考えてよいだろう。
 

スバル フォレスター(現行型) ▲2024年4月~2025年3月までの中古車流通台数推移

年式別分布ではデビュー直後の物件数よりも、エンジンラインナップが変更された2020年の物件数が多い。全体的には前期型(~2021年7月)が多く、フロントマスクが変更された後期型(2021年8月~)は全体の3割強とやや少なめ。ただし、今年初回車検を迎える2022年式はやや多めとなっている。

中古車価格については2024年に一時的に上昇したが、それ以外は一般的な推移。モデルライフが長くなるとともに順調に下がってきており、現時点での中古車平均価格は260万円前後となっている。新車価格が280.8万~385万円であることを考えても、ごく常識的な水準と言える。
 

スバル フォレスター(現行型) ▲2024年4月~2025年4月10日時点までの中古車総額平均価格

価格帯別でも比較的満遍なく分布しており、予算や好みに応じた物件を選びやすい状況だ。ちなみに前期型は170万~270万円、後期型は270万~360万円がおおむねの相場となっている。

 

3.中古車のオススメ①:フォレスターを安く手に入れたいなら前期型「2.0 アドバンス」e-BOXER車が狙い目

コスパを重視するなら、前期型「2.0 アドバンス」の e-BOXER車がオススメ。走行距離5万km以下の物件が総額170万円台から狙えるオトクな状況となっているためだ。

「アドバンス」は装備が充実した上位グレードで見た目、機能とも全く不満がない。前期型の2.5Lガソリン車も総額200万円以下から狙えるが、e-BOXER車に比べてやや燃費が悪く、自動車税も高い。また同じ前期型e-BOXER車では「ツーリング」の方が新車価格は安かったが、こちらは中古車市場での流通量が少ない。選択肢の多さ、ランニングコストを含めて考えると、「2.0 アドバンス」のe-BOXER車が狙い目というわけ。

スバル フォレスター(現行型) ▲前期型でも機能的には後期型と大差なし。e-BOXER車なら動力性能的にも不満を感じないはず

価格の一例を挙げると、2019年式・走行距離4.5万kmの「アドバンス」で総額178万円。動力性能も装備内容も不満ない5代目フォレスターがこの価格で手に入るならオトクだろう。

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スバル フォレスター(5代目)× 「前期型」× 「2.0 アドバンス」×全国
 

4.中古車のオススメ②:後期型「スポーツ」ならフォレスター本来の走りを堪能できる

コンベンショナルな外観だった前期型から、近未来的なデザインのフロントマスクへと変わった後期型。個人的にこのデザインをかなり気に入っていたのだが、4年経たずして廃盤となってしまった。実に惜しいところだが、中古車を狙ううえでは何ら問題ない。

中でも、後期型の「スポーツ」は他の国産SUVにない個性的なモデルだ。フォレスターといえばターボ、というイメージどおりの刺激的な加速を味わわせてくれるし、足回りも動力性能に合わせてしっかりチューニングされている。

スバル フォレスター(現行型) ▲ホットモデル的な位置づけであると同時に、当時の最上級グレードでもあったのが「スポーツ」だ

ということで後期型「スポーツ」の中古車を検索してみると、約100台の物件がヒット。新車時価格は328.9万~374万円だったが、中古車なら総額310万円前後から狙える。

例えば2022年式・走行距離1.7万kmの「スポーツ」で総額309.9万円。新車の香りがまだ残っていそうなコンディションで、新車時価格マイナス25万円以上というのは、かなりリーズナブル。

ちなみに新型の価格は「スポーツ」は同グレード比で約55万円高くなると説明されている。そうした状況を考慮しても、後期型「スポーツ」の中古車は今が狙い目かも。
 

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スバル フォレスター(5代目)× 「後期型」×「スポーツ」×全国

※記事内の情報は2025年4月9日時点のものです。
 

文/田端邦彦 写真/スバル、篠原晃一
田端邦彦(たばたくにひこ)

自動車ライター

田端邦彦

自動車専門誌で編集長を経験後、住宅、コミュニティ、ライフスタイル、サイエンスなど様々なジャンルでライターとして活動。車が大好きだけどメカオタクにあらず。車と生活の楽しいカンケーを日々探求している。プライベートでは公園で、オフィスで、自宅でキャンプしちゃうプロジェクトの運営にも参加。

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