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西川淳の「SUV嫌いに効くクスリをください」 マセラティ レヴァンテ の巻
2021/04/13

スポーツカーブランドのSUVならば…
スポーツカーブランドが作るSUVはいつだって車好きの気を引く。当然だ。名の通った、車好きの耳には心地のよいブランド名でそれが始まっているのだから。
マセラティが2016年に発表したレヴァンテもまた、背の高い車が嫌いな筆者であってもデビュー当初から“気にしているSUV”であり続けている。かの勇ましいマセラティ・フェラーリ製V8エンジンを積んだグレードはワインディングロードでほとんど背が高いだけのスポーツカーだったし、もうじきに販売の終わるV6ディーゼルターボをロングで乗ったときのグランドツーリング性能には舌を巻いたものだった。
そして、このスタイリング。真横からの写真で、タイヤから下を隠してみてほしい。フロントフェンダーからリアフェンダー、寝かされたピラーからルーフ、ハッチへと至る2つのラインの組み合わせなどは、どこをどう見てもモダンマセラティのリネアである。

背が高くても気持ちよくクルージングできるSUV
巨大なサイズを除けば、ひょっとすると日々のアシに使いたくなるかもしれない。鮮やかなイエローメタリックのボディカラーをまとったレヴァンテを見た瞬間、そんな予感があったので、早速その個体のスケジュールを押さえて京都までのパートナーとして使ってみた。
しばらくぶり、おそらくは2年ぶりに乗ってみて、いきなり気づくことがあった。記憶にあるドライブフィールより、全体的にこなれている、というか、優しい当たりになっている。
もちろん、今回試したのはガソリンV6のSだったので、2年前とはグレードそのものが違う。とはいえ、それ以前にもすべてのグレードを試していてレヴァンテの感じは大体つかめていたはず。それよりも、まだ角が取れた感じがするのだから、実際、デビューから時間が経って細かな改変が入った結果、そうなったのだろう。人間と同じで車もまた、年を取ると丸くなる。


街中からすこぶる気分よく走り始めると、高速では相変わらず素晴らしいグランツーリスモっぷりを見せた。レヴァンテはSUVにしては前アシのよく動く車なので、高速走行時の安定感に欠けるように思われがちだが、決してそうではない。むしろ、真っ直ぐなら真っ直ぐに、コーナーなら走りたいラインをしっかりキープしてくれるので、背の高いSUVにしては気持ちよくクルージングできる類だ。
特に山間部の高速区間が楽しかった。視界が高いだけで乗り味はもうほとんどクーペのグラントゥーリズモ。否、グラントゥーリズモよりも設計が新しい分、テイストはモダンだ。
低速域での動きにしなやかさが増えた結果、狭い街中でも扱いやすい印象に。確かに幅は広いし気を使うサイズではあるものの、素直な鼻先の動きが乗り手の心に余裕をもたらした。


そして何より、この派手なボディカラーがレヴァンテによく似合っている。マセラティというとノーブルな紺やシックなガンメタリックをついつい組み合わせてしまいがちだけれど、実はこの手のビビッドカラーもよく似合う。新車のオーダープログラムにもカラーチョイスの幅が広がっているらしく、これからさらにユニークな色みのモダンマセラティが街を走ることだろう。鮮やかなグリーンなんかも良さそうだ。
レヴァンテを、外しのビビッドカラーで乗る。ちょっとやってみたくなってきた。背が高いから面積も広く、色みを挑戦すればそれだけ個性も広がりそう。予想もしない色のSUVに乗る。これはアリかもしれない!


▼検索条件
マセラティ レヴァンテ× 全国
自動車評論家
西川淳
大学で機械工学を学んだ後、リクルートに入社。カーセンサー関東版副編集長を経てフリーランスへ。現在は京都を本拠に、車趣味を追求し続ける自動車評論家。カーセンサーEDGEにも多くの寄稿がある。
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