Car Sensor |
中古車トップ > 日刊カーセンサー > 特選車 > 特選車 > 初代だけじゃない! 俊足ワゴンとしてお馴染みの日産 ステージアは2代目も速かった!
初代だけじゃない! 俊足ワゴンとしてお馴染みの日産 ステージアは2代目も速かった!
2020/10/31

初代の強烈な印象に隠れた2代目ステージアにフォーカス
1996年から2007年まで、2世代にわたって日産のLクラスステーションワゴンとして、存在していたステージア。コアなファンならご存じのとおり、スカイラインのプラットフォームを流用しており、「スカイラインワゴン」とも言えるようなスポーツ性を持ち合わせた、俊足ステーションワゴンでした。
特に初代モデルには、オーテックジャパンが手掛けた「オーテックバージョン260RS」というグレードが存在していました。
これは、R33型スカイラインGT-Rのパワートレインをそのまま移植したもので、俊足ステーションワゴンのイメージは、このモデルの印象が強いと言えるでしょう。
確かに、GT-Rのパワートレインをもったステージアは、強烈な印象を残していることは間違いありません。
ですが、その陰に隠れがちな2代目ステージアも、実はかなりの俊足ステーションワゴンだったのです。


ターボの前期と大排気量NAの後期
2代目ステージアは、2001年10月の登場から2004年8月までの前期型と、それ以降から2007年夏までの後期型に大きく分けられます。
前期型のみに存在していたのが、VQ25DET型のV6 2.5Lインタークーラーターボエンジンです。実はこのエンジン、数ある日産車の中で、2代目ステージアにのみ搭載されたものであり、そのスペックは280ps/41.5kg・mというもの。
このスペックは、先代のオーテックバージョン260RSに搭載された、RB26DETT型の280ps/37.5kg・mよりも、トルクが大きく上回っているのです。
さらに、この時代のターボとしては珍しく、過給圧が高まると急にパワーが出る、いわゆる「ドッカンターボ」的な味付けとなっていて、数値以上に速く感じるものでした。

日産もそれを知ってか、ターボモデルは全車4WDのみの設定。そのシステムは、日産自慢のアテーサE-TSで、通常時はFRらしいハンドリングが楽しめ、リアが滑るとフロントにも駆動力を伝えて安定させるというもの。
ステージアには、新開発のスノーシンクロモード付きが奢られ、滑りやすい路面での発進性も高められていました。
一方、後期型になると、2.5Lターボモデルはカタログ落ちしてしまいますが、その代わりにラインナップに加わったのが、VQ35DE型V6 3.5Lの大排気量NAエンジンです。
このエンジンは、エルグランドからフーガまで日産の幅広いモデルに採用されているものですが、ステージアに搭載されたものは、V35スカイラインと同じチューニングがなされたもの。
スペックこそ2.5Lターボに劣る272ps/36.0kg・mとなりますが、大排気量NAらしい余裕のある走りで、スルスルと車両を加速させてくれるのが美点と言えます。
また、ターボモデルとは異なりFRモデルも用意されるので(4WDの設定もあり)、スカイライン譲りのFRらしいハンドリングを楽しむことができます。

MTじゃないと……という人にはオーテックが手掛けたモデルを
オーテックが手掛けたステージアというと、前述の初代オーテックバージョン260RSが圧倒的に知られるところ。ですが、2代目ステージアにもオーテックが手掛けた特別なものが存在していました。それが「アクシス350S」です。

このモデルは、2003年6月に追加されたもので、その名のとおり3.5Lエンジンを搭載したもの。そのエンジンは、VQ35DE型でマイナーチェンジ後に搭載されたものと同型式ではありますが、オーテックはマイナーチェンジに先駆けて搭載していたということになります。
ただ、マイナーチェンジ後のモデルと大きく違うのが“6速MT”が組み合わされているという点。2代目ステージアにはMTの設定はなかったため、このモデルが唯一のMTモデルということになるのです。
このMTは、同時期のスカイラインクーペに搭載されていたものと同じで(ギア比も)、それに伴ってエンジン出力も、スカイラインクーペと同じく280ps/37.0kg・mとなっていました。
残念ながらアクシス350Sは、2004年8月のマイナーチェンジで消滅。アクシスシリーズは残ったものの、6速MTモデルは1年2ヵ月という短命に終わってしまったのです。
当時販売に苦戦した影響か中古車は絶滅寸前!?
ステーションワゴン受難の時代に生まれてしまったステージアだけに、新車販売台数も苦戦が続いた印象の2代目ステージア。それだけに、現在の中古車流通台数も少なめの79台(執筆時点)となっていました。
その中で過給機搭載モデル(ターボモデル)は16台とやはり少なめ。ただし、10万kmオーバーの個体は4台のみと、年式から考えると走行距離はそこまで多くない印象です。
価格帯は総額30万円台から100万円台強まで幅広くなっていますが、最も多いのは50万~60万円台といったところで、極端に荒く扱われたものは少ないように見受けられました。
一方の後期型、3.5Lモデルになると現状は4台のみの掲載でした。高年式モデルとはいえ、2.5L NAモデルでも十分な装備をもっていたステージアなので、あえて3.5Lモデルを選ぶユーザーは少なかったのかもしれません。
こちらは、後期型かつ大排気量の上級グレードということもあり、80万円台~120万円台と前期ターボに比べるとやや高額。とはいえ、アクシス系やサンルーフ付き、カスタマイズ済の個体だったため、通常グレードであれば、もう少し安い価格で見つけることができそうです。
そして、最後に激レアモデルのアクシス350Sですが、執筆時点でなんと2台の掲載情報が! ただ、1台は15万kmオーバーで車両本体100万円弱。もう1台は、7万km未満で200万円弱と、状態も価格も様々。
そもそも圧倒的に台数が少ないモデルなので、市場に出てきたときが買い時でしょう。
ということで、ほぼ絶滅してしまったと言っても過言ではない国産Lクラスワゴン。走りの素性の良さと積載性を併せ持つモデルとして、2代目ステージアを狙うなら今がラストチャンスかもしれません。
▼検索条件
日産 ステージア(2代目)×全国
自動車ライター
小鮒康一(フナタン)
スキマ産業系自動車ライター。元大手自動車関連企業から急転直下でフリーランスライターに。中古車販売店勤務経験もあり、実用車からマニアックな車両まで広く浅く網羅。プライベートはマイナー旧車道一直線かと思ったら、いきなり電気自動車を買ってしまう暴挙に出る。愛車は日産 リーフ、初代パルサー、NAロードスター。
この記事で紹介している物件
あわせて読みたい
新型VW パサートのセダン廃止に絶望した人に贈る「代わりこのプレミアムセダン、どうですか?」5選
トヨタ スープラ(A90型)生産終了の発表に絶望した人に贈る「代わりコレ、新車在庫がなくなったときに備えてどうですか?」5選
ケンドリック・ラマーの愛車 ビュイック GNXの中古車流通“0台”に絶望した人に贈る「このイケてる車、グラミー受賞ラッパー愛車モデルの代わりにどうですか?」5選
新型ローグ/エクストレイルPHEVは「日産再建計画」の肝となるか? 次期型について徹底予想!
【試乗】新型 アウディ S5アバント|エンジンフィールが気持ちいい! マイルドハイブリッドを備えた新ネーミングの基幹モデル
R34スカイラインGT-Rの中古車価格2500万円に絶望した人に贈る「1/3以下で買えるコレ、代わりにどうですか?」5選
マツダ RX-7(FD3S)の中古車価格約500万円超えに絶望した人に贈る「半額で買えるコレ、代わりにどうですか?」5選
ディーゼル車とは? ガソリン車との違いやメリット・デメリット、人気中古車ランキング一覧TOP10を紹介!
4WD(四輪駆動)とは? オススメ車種一覧15選、2WDとの違いやメリットを解説!
マツダ新型CX-80&CX-60の内装が素敵すぎるが「イケてるインテリアのSUV」は他にもある!オススメ5選を紹介