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「お元気ですか~」のCMで一世を風靡した日産 セフィーロは、80年代後半バブル時代の名残を残す絶滅危惧車だ!
2019/12/20
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バブル絶頂期の1988年9月に生まれた「日産 セフィーロ(初代)」
バブル期、トヨタが同一プラットフォームでマークII、クレスタ、チェイサーなどで巻き起こしていた「ハイソカーブーム」(ハイソサエティー……、上流階級のという意味)に乗り遅れていた日産が一石を投じたのがセフィーロだった。デビューはバブル絶頂期の1988年9月。
日産も同一プラットフォームから、スポーティなスカイライン、ラグジュアリーなローレル、そして、スポーティとラグジュアリーを両立させたスタイリッシュなセフィーロを展開していった。
「スカイライン」には2ドアクーペも設定されたが、「ローレル」、「セフィーロ」3車種ともに4ドアモデルが基本だった。そして、差別化の演出のためにスカイラインはBピラー付き4ドアハードトップ、ローレルはBピラーレス4ドアハードトップ、そして「セフィーロ」はオーソドックスな4ドアセダンとしていた。
デビュー時のキャッチコピーは「33歳のセダン」。メインターゲットは20代から30代の男性、共働き、子供なしのDINKS(これも死語?)。車名はそよ風や地中海に春をもたらす西風を意味するスペイン語のCefiroにちなんで「セフィーロ」と名付けられた。バブル期らしい爽やかさがたまらない……。
個性の演出を重んじていたバブル期に登場したこともあり、デビュー時にはセミオーダー式システム「セフィーロ・コーディネーション」を採用し、自分好みの1台を注文可能という贅沢なものだった。

随所にバブル期ならではのこだわりを見せる
なんとエンジン、サスペンション、トランスミッション、内装生地、内装色、外装色などの組み合わせは……、全810通りあったという。仕様の詳細はセンターコンソールボックスのふたの内側に貼られた仕様書で確認できた。エンブレムはメーカーと車名のみとし、グレード表記をあえて廃した。
この“さりげなさ”はバブル期ならではのこだわりだ。
もっとも、マイナーチェンジでオーダーメイド感覚の路線は影を潜め、グレード設定やグレードエンブレムの装着も……。
気分のよい時間を演出する美しく優しい“ナチュラルフォルム”の創出が、エクステリアでうたわれたテーマだった。Cd値0.32というクラストップレベルの空気抵抗値を実現させ、ヘッドランプには4灯式プロジェクター、フロントグリルにクリスタル製カバー、ドアハンドルに流線型タイプを採用するなど、随所にこだわりが見られた。
インテリアは「くつろぎを感じさせる温かみのある室内」をテーマにし、ダッシュボードやドアトリムなどを滑らかな曲線基調で構成。前後シートは身体にフィットする、一体成形のエルゴノミックシートを装備。運転席と助手席の形状も若干違っていたのはすごい。
基本シャシーと駆動レイアウト(FR)は、スカイライン/ローレル系と基本的に共通だった。搭載エンジンは2L直6気筒DOHCインタークーラー付きセラミックターボ(205ps)、2L直列6気筒DOHC(155ps)、2L直列6気筒SOHC(125ps)と3ユニットを設定。トランスミッションは5速MTと4速ATをラインナップしていた。
サスペンション形式はフロントがマクファーソンストラット式で、リアがマルチリンク式。四輪操舵システムの「HICAS-Ⅱ」や、スーパーソニックサスペンションと車速感応式電子制御パワーステアリングを組み合わせた「DUET-SS」といった先進機構も積極的に盛り込んだ。



掲載台数は10台未満!
中古車相場に目を向けてみると、とにかく販売台数が少ない。
安価に流通していたころは、ドリフトマシーンとしての需要が高まった。
昨今は流通台数も格段に減り、中古車平均価格は86万円(2019年12月17日原稿執筆時点)で、大体50万~100万円強で安定しているようだ。
走行距離が多いものは70万円前後で狙える。
ひとつの目安として10万㎞未満か否か、が大きなポイントになっていそうな中古車相場だ。
新車時価格は195万円からだった。
絶版となってから25年が経過したにも関わらず、走行距離が短いものは100万円は超え、思いのほか高めに推移している。
今後、程度の良いものは値上がりする可能性を秘めているのかもしれない。
バブル期の日産意欲作、今見ても爽やかさが漂っているしノスタルジックな気分にも浸らせてくれる。
ちょっとでも気になった方は、中古車物件をチェックしてみてほしい!

▼検索条件
日産 セフィーロ(1988年9月~1994年7月生産モデル)×全国
自動車ライター
古賀貴司(自動車王国)
自動車ニュースサイト「自動車王国」を主宰するも、ほとんど更新せずツイッターにいそしんでいる。大学卒業後、都銀に就職するが、車好きが講じて編集プロダクションへ転職。カーセンサー編集部員として約10年を過ごし、現在はフリーランスのライター/翻訳家として活動している。
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