ルノー アルカナ▲ルノー アルカナで神津島ドライブ。次々に表情を変えてくる絶景にいちいちため息が出るぜ

都内出発で1泊2日のドライブ旅。で、どこに行く?

「1泊2日という条件でアルカナを使ってドライブ記事の企画をしてもらおうか。さて、このお題にカーセンサーEDGE編集部はどんな企画を持ち込める?」

ルノー・ジャポン広報部から発信されたこんなメッセージに、この手の話を大好物とする編集部Yが食いついた。彼の提案してきた企画は「離島旅」。確かにこれは良い。普段の取材先や撮影先の候補にはあまり挙がってこない場所だけに妄想が膨らむ。異議なし、ということで我々が目的地に選んだのは東京都の離島「神津島」。なんと東京都内の旅だ。

神津島とは、伊豆諸島のひとつで空路と複数の海路で行くことができる東京都の離島。空気汚染も少ないため、2020年には日本国内で2番目の「星空保護区」に認定されているという自然が豊かで観光目的地としても魅力のある島。今回は車で行くので、静岡県の下田よりカーフェリーに乗り神津島で1泊して翌日下田へ戻ればよい。まさか神津島に行くとはルノー・ジャポン広報部も予想できまい。我々の計画は完ぺきだった。

ルノー アルカナ▲下田港からアルカナをフェリーに載せ、いざ神津島へ! 神津島までは2時間20分! レッツゴーである!

去る3月末、静岡県下田港に集まった我々は今回の旅の友となるアルカナをフェリーに載せ、遠く小さくなっていく陸地、そして海と空だけの水平線となる景色を堪能しながら神津島を目指した。神津島は西側の神津島港と東側の多幸湾と2ヵ所の港があるが、フェリーが着岸したのは多幸湾という島の東側の港。天候や潮の状態で船の着岸港を変更しているようだ。

ルノー アルカナ▲神津島に到着。この神々しい景色が気分を盛り上げてくれる

神津島の多幸湾が近づいてくると島が火山島であること、岩でできた島であることがわかる荘厳な絶壁がお迎えしてくれる。もうそれだけで我々のワクワク感はピークに達していた。アルカナを上陸させフェリーを見送ると風と波の音のみという心地よい静寂が出迎えてくれる。

港を出発し急こう配の坂をクネクネと上がって行く。振り向けばあっという間に我々が乗ってきたフェリーが豆粒のように小さくなっていた。しかし、アルカナってこんなにグイグイ坂を上る車だったっけ? というくらい急こう配を静かに駆け上って行く。10分ほど走ると島の西側の神津島港(前浜港)のある港町に到着。まずは腹ごしらえということで漁港に接する食堂に。

ルノー アルカナ▲漬丼定食は天ぷら付き! ピリッと辛めな漬け汁が旨い。(よっちゃーれセンター食堂)

腹ごしらえを終え、探検を兼ねて島を一周しようと試みるが、島内マップを見ると道があるのは島の西側くらい。ならば、行けるところまで行ってみよう、とまずは北に向かう。道幅は狭く曲がりくねっているので先の見通しは良くないが、アルカナは大きすぎないうえに適度に目線も高くあまりストレスはない。

ルノー アルカナ▲磯の岩場に沿って木製の歩道が! どうやらここは海に飛び込んで遊べる場所でもあるらしい。夏だったらちゅうちょなく飛び込んでいただろう。展望台のようなところに上がってみれば絶景が拝める(赤崎遊歩道)
ルノー アルカナ▲フェリーが着岸した多幸湾から車で10分くらい、山の中腹にある神津島空港

北の端から今度は南側を目指す。途中に少し寄り道し、神津島の空路となる「神津島空港」に行ってみた。東京都調布市にある調布飛行場から片道40分くらいで着いてしまうらしい。これなら必要なときにパッと本島へ行き来できる。テレワークが可能な職業の人は神津島に移住できそうだ。滞在中には神奈川と埼玉からの移住者にも出会った。のんびりとした空気がとても心地よく、彼らが移住した気持ちもうなずける。我々も少しずつ「帰りたくないね」という気持ちになっていた。

ルノー アルカナ▲島の南にある千両池。神津島灯台へ向け細い道を進み行き止まりに車を止め、山道を10分ほどハイキングした先にある絶景。ここは車でないと絶対行けない場所だ
ルノー アルカナ▲道に迷った先に見つけた誰もいない砂浜。何が釣れるのか知らないが、隠し持っていた竿でちゃっかり釣りを始める編集部O

離島の交通手段は車だけ。絶景を拝めたのは車で自由に移動できたから。離島へ車で行くという選択は、ガイドブックにない出会いを楽しめる最善な方法と言える。

ところでアルカナだが、地元の方は初めて目にする車だったようで、興味津々「これは何という車?」「これハイブリッド?」「フランス車いいなぁ……」「これいくらくらいするの?」などと数名の地元の方に声をかけられている。もしかしたら、アルカナ史上神津島上陸第1号車だったのかもしれない。

結構「欠航」する!? 明日のフェリーはアルカナ?

ルノー アルカナ▲マグロのステーキ。美味しいじゃねえか!! ただ、店内客の会話から漏れてくる「明日のフェリーは欠航か否か」という会話に一抹の不安を覚えるが、まあ大丈夫だろう(夕食:Hyuga Brewary)
ルノー アルカナ▲ホテルにチェックイン時、明日のフェリーがどちらの港に着岸予定なのかを女将さんに尋ねてみると笑顔で「明日は欠航だと思いますよ」と耳を疑う一言が。欠航??(ホテル神津館)

翌朝、小雨が降る部屋の窓の外の景色を見ながら「雨の景色も風情があるね」とか口にしつつも、心の中では昨夜居酒屋で聞いたフェリー欠航かもという噂が頭から離れず「フェリー来るよね……」と祈る3人。すると島内放送が響き渡る。
「※□△×下田○きの○△×リーは本△欠航※す」
エコー利きまくりでイマイチ聞き取りにくいが、なんだか「欠航」と言っているような……。
帰りたくないとは思ったけどまさか帰れなくなるとはまったくもって考えてなかった我々は、一斉にスマホで帰路のルートを探す。

結果、1便だけ竹芝へ向かう大型客船が入港することがわかった。が、この船は車を積み込むことができない。それを知った編集部YとカメラマンAは、「Oはアルカナとの素敵な離島生活を楽しんでくれたまえ」とか言いニヤニヤしながら、そそくさと乗船予約を始める。さらに編集部Yが耳を疑う追撃の一言を発する。
「あ、ちなみに下田行きカーフェリーの次の便は7日後らしいよ」
終わった……。そして筆者Oとアルカナは1週間帰れぬことが決定したのだ。

ルノー アルカナ▲さっきまでイライラしていたにもかかわらず、編集部YとカメラマンAを港から笑顔で見送る筆者O。人間、腹が据わればなぜか笑顔になるらしい。いや、やはり神津島ののんびりした空気がOを笑顔にしたのだろう……

≪車両情報≫
ルノー アルカナ エスプリ アルピーヌE-TECHフルハイブリッド
カタログ燃費(WLTCモード):22.8㎞/L
≪実走情報≫
総走行距離:494㎞(内、島内走行82㎞)
実燃費(燃費計):25㎞/L

▼検索条件

ルノー アルカナ×全国

―編集後記―
離島旅を終えてあらためてわかったのは、離島へは車で行くことでより大きな「圧倒的自由感」と「車でしか出会えない」体験ができる、ということ。これは間違いない。ぜひマイカーで離島を目指してほしい。かけたコスト以上の思い出が作れるはずだ。ただし、ハプニングすら楽しめるおおらかな気持ちで向かっていただきたい。
最後に、アルカナの返却予定を大延長したことでご迷惑をおかけしたにもかかわらず、大ウケして許してくださるルノー・ジャポン広報部の皆さまの寛大さに、この場をお借りしてあらためて感謝申し上げたい。

文/編集部 写真/阿部昌也、編集部