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三菱お得意のPHEVシステムを積んだ、“エコ”で“実用的”なスポーティSUV 三菱 エクリプスクロス【EDGE’S Attention】
カテゴリー: クルマ
タグ: 三菱 / クロスオーバーSUV / プラグインハイブリッド / 4WD / エクリプスクロス / EDGEが効いている / 西川淳 / c!
2021/05/14

世の中の、こだわりすぎ、コスト度外視、先進的、独創的すぎなモデルを紹介するEDGE’S Attention。
そんなエッジィなモデルにEDGE編集部から「アテンション プリーズ!」。
今回は少し趣向を変えて、多くの人が気になっているであろうプラグインハイブリッドモデルを紹介。国産勢の中で以前より優れたシステムテクノロジーを提供してきたこだわりの三菱、そのスポーティSUVを紹介する。
“伝家の宝刀”をスタイリッシュなコンパクトSUVに搭載
“自動車の電動化”に関する話題で世の中なんだかかしましい。のべつ幕なしに伝えられるニュースだけを聞いていると、バッテリーEV(BEV)時代がすぐにでもやってきそうだ。VWグループを筆頭に欧州勢のEV傾倒を見ていると、確かに内燃機関の車には乗ってられない気分になってくるのも分かる。その一方で、EVに興味はあるけれど航続距離の問題や充電インフラのことを考えるとどうしたものか、と二の足を踏むユーザーも多いはず。
端的に言って、あと2回くらいの乗り替えでは「慌てることはない」し、環境が整っている(例えば、自宅に専用のガレージがある=充電設備が設置可能)とか、興味のある方からどうぞお好きにBEVを試してください、というのが今現在のアドバイスなのだが……。
それはともかく、多くの人にとっての最適解は今のところプラグインハイブリッド車(PHEV)だろう。欧州勢にしたところで、いきなりBEVだけの車未来社会など描いてはいない。PHEVを含めての電動化コンセプトで、つい先だって発表されたメルセデス・ベンツの新型Cクラスなどは全グレードがPHEVだった。
充電インフラが万全であるとは言えず、またバッテリーの能力に限界(重量面でも)がある今、燃料さえあれば電欠の心配もないプラグインハイブリッドシステム付き内燃機関こそが最も合理的なパワートレインだ。

各社様々なPHEVをリリースするが、以前より国産勢の中で優れたシステムテクノロジーを提供してきたのは三菱だ。システム構成は、フロントに積んだ2.4Lの高効率アトキンソンサイクルエンジンに、前後アクスルに置かれた2機の高出力電気モーターと、フロア下に配された駆動用リチウムイオンバッテリーを組み合わせたもの。
近距離の日常領域をできる限りEV走行モードで賄う。最大65kmまでBEVとして使えるから、家で充電さえできるのであれば多くの人の日常生活においてガソリンスタンド要らず、が成立する。
たまさか遠乗りをしてバッテリー残量が減ったとしても慌てることはない。エンジンを発電機として使用するシリーズ走行モードへ速やかに移行する。加速時や上り坂でも同様だ。さらに、高速走行時の追い越しなど、よりパワーが欲しいときにはエンジンとモーターが協力して駆動するパラレル走行モードへと自動的に変わる。プラグインだから、都合のいいタイミングで充電できるのであれば、すればいいし、しなくてもいい。
三菱はガソリンエンジン+電動ユニットを伝統の4WD技術と組み合わせて車両を統合制御するという高度な技術を早々に実用化した。13年にアウトランダーへ搭載すると、世界で最も台数の売れたPHEVとなった。


言ってみればこのPHEVシステムは、今の三菱にとって“伝家の宝刀”である。これを活用しない手はないということで、エクリプスクロスにもマイナーチェンジに併せて搭載されることに。
もとよりスペシャリティクーペのようなルックスのSUVだったエクリプスクロス。マイナーチェンジでフロントデザインはさらにスタイリッシュになり、リアセクションに至ってはクーペフォルムをより強調するよう大胆に変更されていた。インテリアデザインだけはちょっと古めかしいままのテイストが残るが、いずれにしてもPHEV仕様が追加されたことも考えるとフルモデルチェンジ級である。

ツインモーター+S-AWCというプラグインハイブリッドシステムを得たエクリプスクロスの走りはどうか。
非ハイブリッドモデルに比べて+300kgと聞いたが、それがまるで嘘のような加速フィールを見せた。右足を大きく踏み込まない限りはEVなわけだから、レスポンスよく、滑らかな加速をみせる。自然とできるだけエンジンをかけずに走ろうという気分になるほどだ。とはいえ、たとえ踏みすぎてエンジンをかけてしまったとしても、無粋なうなり音ひとつあげることがない。
乗り心地にはクラスを超えた重厚感さえあって、動きの一つ一つがとても洗練されているように思えた。車体の重心が低く前後重量配分にも優れるためか、このクラスの他のSUVとは一線を画すライドフィールだった。
そして、愉快だったのがエクリプスクロスで追加されたドライブモード、“ターマック”だ。ターマックとは舗装路のこと。ラリーの世界ではグラベル(未舗装)と対をなす単語でもある。とにかく、そんな形状のコーナーでもアクセルを踏み、ハンドルを切っていけば、面白いように曲がっていく。決してシャープすぎずニンブルすぎず、乗り手の思いどおりにグイグイ曲がっていく。しかも安定感も素晴らしい。夢中になってドライブするとSUVを駆っているということも忘れそうに。後輪の駆動を如実に感じるドライブフィールは、やはり楽しいものだ。
グランドツーリングSUVといったキャラクターだったアウトランダーPHEVに比べて、エクリプスクロスの走りはよりスポーティな味付け。同じシステムを搭載しながら、走りのキャラはまるで違っている。


エクリプスクロスPHEVのメリットがもうひとつある。それは給電と蓄電だ。最大出力1500WのACコンセントがあり、スマホの充電のみならずドライヤーだって使える。また、一般家庭の10日分に相当する蓄電能力も備わった。
日常生活から万が一の非常事態まで、活躍の期待できる実用SUV。現状、多くの人にとっての最適解であろうPHEV、その中でも注目しておきたい1台だ。


▼検索条件
三菱 エクリプスクロスPHEV × 全国
自動車評論家
西川淳
大学で機械工学を学んだ後、リクルートに入社。カーセンサー関東版副編集長を経てフリーランスへ。現在は京都を本拠に、車趣味を追求し続ける自動車評論家。カーセンサーEDGEにも多くの寄稿がある。
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