adobestock▲自動車・中古車に関する調査・研究を通じ業界の発展を目指すリクルート自動車総研が、調査データと独自の考察をお届け。今回のテーマは「中古車市場」

一段落した高単価化、代わりに購入台数が増加中

リクルート自動車総研が毎年行っている『中古車購入実態調査』は、最新となる2024年の調査結果を発表しました。

市場全体の規模は4兆8285億円となり、前年が4兆7363億円だったのに対し922億円増加。端的に申し上げると「今、中古車市場は盛り上がっている」ということになります。この盛り上がりの内訳ですが、ここ数年増加傾向にあった購入単価の伸びが一段落し減少に転じた一方で、購入台数が大きく伸びることにより増加に貢献しました。
 

カーセンサー

人口全体での中古車購入率は3.3%となり、コロナ前となる2018年まで遡っても、過去7年間で最も多い割合で購入されていたことになります。年代別に見ると、29歳以下が4.5%、次いで30代の3.8%、40代の3.4%と年代が高くなるに連れて購入率が下がっていきます。

もちろん手元にすでに車があるかどうかという違いもあると思いますが、若年層ほど車を買い替えるサイクルが速く、人口全体は減少傾向にありますが今後も購入率や台数は一定の水準が保たれることが予測されます。
 

豊富な選択肢が魅力中古車は「探す」を楽しもう!

東京で暮らしていると、「車はなくても生活に困らない」という人に頻繁に出会います。エリア部では平日の移動に必要な生活の必需品、都市部では休日の利用が中心となる嗜好品とイメージされがちですが、実は購入率の差はそこまで大きくありません。
 

カーセンサー▲2024年の新車販売台数で1位を獲得したのは、ホンダの軽自動車 N-BOX

都市圏では2.3%ですので、全体平均の3.3%と比べるとその差分はわずか1%となります。特別に車を買わない傾向が強いというよりも、そもそもの人口が多いため買わない派の人も多く見かける程度の差なのかもしれないですね。

購入単価は下がりましたが、それでも平均で155.9万円。仮に予算を160万円としても、現在カーセンサーに掲載中の物件約50万台の半分以上の約28万台が候補に入ります。無限の可能性を秘めた中古車探し、ぜひ探す行程から楽しんでください!
 

文/西村泰宏、写真/AdobeStock
西村泰宏(にしむらやすひろ)

リクルート自動車総研所長

西村泰宏

カーセンサー統括編集長 兼 リクルート自動車総研所長。自動車メディアを車好きだけでなく、車を購入するすべての人のエンターテインメントに変革すべく日々の仕事に従事している。