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【フェルディナント・ヤマグチ×編集長 時事放談】自動車業界と半導体について(前編)
2021/06/12

みなさまごきげんよう。フェルディナント・ヤマグチでございます。
前回のテーマ(電気自動車の未来について)からまた時間がたってしまいました。うーん、このままではいかん……。せっかく本企画を楽しみにしてくださっている読者諸兄に申し訳が立ちません。
普段は「原稿はまだか!」「どこで遊び歩いているんだ!!」という編集者からの怒りの連絡を華麗にスルーしておりますが、初めて私から担当編集者のケツを蹴り上げて先までの対談スケジュールを入れてもらいました。
これからはコンスタントに本企画をお届けできるはずなので、どうぞお楽しみに。
ま、当企画がスタートした当初もそんなことを言っていましたので、どうなるか分かりませんけれどね。相手があることですし。
さて、私はマスクをかぶってちょいちょいメディアに顔を出したり、拙稿を掲載いただいたりしていますが、これは世をしのぶ仮の姿。1985年に大学を卒業して以来、半導体・電子部品かいわいで日々マジメにリーマン稼業にいそしんでおります。
本名を明かしていないのも、マスクをかぶっているのも、「フェル業」をやっていることが本業バレするのを恐れてのことです。なにせ地味な業界ですから。
昨今、自動車業界は深刻な半導体不足により減産や工場の操業停止を余儀なくされる事態に見舞われております。
今回はまさに私の本業である「半導体」と自動車業界の話をお届けします。内情を知る業界人だからこそ分かる裏事情も織り交ぜながら、西村編集長と話をしていきましょう。
※この対談は2021年6月4日に行いました。
現代の車の中は半導体だらけ
カーセンサー・西村編集長(以下、西村) フェルさんご無沙汰しております。今回もよろしくお願いします。
西村 はい。僕は様々なメディアから取材を受ける機会も多いのですが、ここ半年ほど必ずと言っていいほど昨今の自動車業界の半導体事情について質問されます。
西村 もちろん、僕も日々のニュースを追いかけていますが、やはり本職の方から話を聞いて勉強したいと思いまして。
編集担当・大津 私も一緒に勉強させてください。そして、今回はすごくホットな話になると思いますので、3日連続で記事を掲載していこうと思います。
西村 自分もそうですが、おそらくカーセンサーの読者全員が半導体に詳しいわけではないので、まずは本当に基本的なところをおさらいしておければ。そもそも、半導体とはどのようなものなのでしょうか。そして、我々の生活にはどのくらい入り込んでいるのでしょうか。
西村 ゴムやプラスチック、ガラスなどがメジャーなところですね。
西村 ICやLSI、LEDなどが半導体デバイスになります。
西村 半導体はスマホだけでなく家電にも使われています。その数は今後ますます多くなるでしょうね。
西村 そして、半導体は我々が乗る車にもたくさん使われている。

西村 私たちが暮らす中で、電気を使うものにはまず間違いなく半導体が使われている。そう考えても問題ないですか?
西村 読者の方々は、半導体と聞いてどれくらいのサイズ感のものが製品の中に入っていると考えればいいですか?
電気自動車よりガソリン車の方が多くの半導体を使っている
西村 なるほど。半導体はとても小さなものだということが分かりました。前回のこの企画では電気自動車の未来について話をしました。この企画ではまだ取り上げていませんが、自動車業界ではADAS(エーダス:先進運転支援システム)も大きな話題です。それらが進んでいくと、使われる半導体の数も加速度的に増えていくという理解で大丈夫でしょうか。
西村 それはなぜですか?

西村 電気自動車の場合は、ガソリン車ほど複雑な制御が必要ないということですね。日本人の感覚だと、 ハイブリッドカーやPHEVなどガソリン車とEVの中間的なものにまだ安心感を覚える傾向があって、メーカーも様々な選択肢を用意するという形を取っています。そうすると、エンジンを置くスペースとバッテリーを置くスペース両方に対応できる車作りが必要になって、制御面でも両方用意しないといけない。でも、半導体不足の影響を考えると実はEV専用モデルを生産すると供給が安定するなんてこともありそうですね。数が出れば価格も抑えることができるし。
西村 欧州は政治も含めて電動化、それもEVの方に舵を切っています。ただ、すべてを置き換えたときにエネルギーやサプライヤーなどを置き換えることができるのか。そこにも難しさがありますね。
大津 お話が盛り上がっているところにすみません。今回はまず半導体の基礎の基礎にあたるお話を伺いました。この続きは、次回のお話にしてもよろしいですか?
大津 楽しみにしています!
(次回へ続く!)

コラムニスト
フェルディナント・ヤマグチ
カタギのリーマン稼業の傍ら、コラムニストとしてしめやかに執筆活動中。「日経ビジネス電子版」、「ベストカー」など連載多数。著書多数。車歴の9割がドイツ車。
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