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キャンプも農業もしない。それでも「小さな万能車」のスズキ スーパーキャリイは、僕にとって最高の1台!
2024/06/12

【連載:どんなクルマと、どんな時間を。】
車の数だけ存在する「車を囲むオーナーのドラマ」を紹介するインタビュー連載。あなたは、どんなクルマと、どんな時間を?
今の僕らにはこの軽トラが最高!
農業などには従事していないとしても、田舎暮らしに軽トラはほぼ必需品であり、最近ではキャンプ趣味のために使っている人も多い。
だが大平拓摩さんは農業もキャンプもしないのに、しかも“横浜市”という都会で暮らしているにもかかわらず、ファーストカーというか、大平夫妻と5匹の元保護猫にとって唯一の車として、スズキ スーパーキャリイを選んだ。

「そもそもは趣味の“バイク修理”に便利だろうと思って、快適性については完全にあきらめたうえで、新車のスーパキャリイを買ったんです。でもいざ乗ってみたら、最近の軽トラってめっちゃ乗り心地がいいことに軽くビビっています(笑)」


自他ともに車好きと認める大平さんは、もともとはトヨタ アルテッツァなどの「普通サイズのスポーティな車」を愛用していたが、あるときから軽自動車の魅力に開眼。スズキ アルトワークスと、同じくスズキのカプチーノを乗り継いだ。
「軽は税金とかがめっちゃ安いですし、アルトワークスやカプチーノみたいな車種であれば走りも楽しい。だから、一度買ってみると本当にハマりますね。そしてウチは妻と僕の2人暮らしなんで、車内が広い必要もさほどありませんし」
だが保護猫の里親になって飼い始めた5匹の猫たちを、軽2シーターオープンのスズキ カプチーノで動物病院まで連れて行くのには難儀したという。
「ご存じのとおりカプチーノには座席が2つしかなく、荷物を載せられるスペースもほとんどありません。そのため猫を獣医さんのところへ連れて行くときは、妻がカプチーノを運転して、助手席に猫のケージを置く。そして僕は動物病院までダッシュで走っていくという手法を採用していました(笑)」

脚力はありそうな大平さんゆえ、動物病院までのダッシュは苦にならなかったのかもしれない。だが「安~く買ってきた不動バイクを、プラモデル感覚で修理する」という趣味を持つようになってからは、カプチーノの限界も見え始めた。
「当然ながらカプチーノにバイクは積めませんので、購入した不動バイクを運搬するときにはレンタカーで軽トラを借りていました。そんなことを繰り返しているうちに『だったらいっそ、軽トラを買っちゃった方がいいのでは?』と思い始めたんです」
1分の1スケールのプラモデル感覚で不動バイクを修理するという“趣味”を始めたからというのもあるが、「将来的には自分のバイク屋さんを興したい」という思いもあった。そのためのいわば修業として、不動バイクの修理は熱心に継続させる必要があったのだ。
「で、買うことにしたんですよね。猫のケージや買い物袋などを車内に置きたいですから、候補は一般的な軽トラじゃなくて、運転席の背後にスペースがあるスズキ スーパーキャリイか、ダイハツのハイゼット ジャンボ。そして背後のスペースはスーパーキャリイの方がハイゼット ジャンボより少し広いということで、スーパーキャリイに決めました」

そんなこんなで2023年3月。スズキ スーパーキャリイの上級グレードである「X」が大平家に納車された。
「ボディカラーは『クールカーキパールメタリック』がシブいなと思い、実際かなり気に入ったのですが、乗り心地と快適性については完全にあきらめていたんです。『……どうせガタガタゴトゴトとしか走らないのだろうけど、バイクが積めるなどの実用性に全振りした選択肢に、“快適性”まで求めるのは酷ってものでしょ?』みたいな感じで。でも――納車されたスズキ スーパーキャリイには、良い意味で裏切られました」
シブい深緑メタリックの軽トラは「……乗用の軽ワゴンか?」と思えるほど乗り心地がよく、静粛性も高かった。そしてハンドリング性能も――もちろん大平さんが過去に乗っていたスポーティカーと同列に語れる種類のものではないが、少なくとも悪くなかった。
「なんだよ! 昔運転したことがある古い世代の軽トラとぜんぜん違うし、これなら普通にファーストカーとして使えるじゃん!」
そう看破した大平さんは、我が家へやってきたスズキ スーパーキャリイを事前の想定どおり「不動バイクの運搬車」として使うと同時に、日々の買い物や通勤にも使い、さらには“デートカー”としても使うようになった。
「いや、もう結婚して何年もたつので今さら“デート”ってわけでもないのですが(笑)、妻とはこの車でよくプチドライブに行きますし、2泊3日ぐらいの近場への旅行であれば、スーパーキャリイで行ってます。さすがに新東名とかで120km/h出そうとは思いませんが、90km/hぐらいで第1車線を走る分には普通に快適なんですよ。もうね、この軽トラには完全に壊れるまではずっと乗り続けるつもりです」

もちろん車好き・運転好きな大平さんゆえ、仮にビジネスで大成功したり、あるいは宝くじで10億円が当たったりしたならば「そりゃランクル250とか、欲しいですよ(笑)」と笑う。だが、大平さんはこうも言う。
「でも現状においてスーパーキャリイ以外にもう1台、何か別の車を無理して買いたいかといえば、まったく買いたくないですね。今の僕らにはこれで十分というか、これが、ほぼ最高なんです」
ここまで諸性能が向上した今、新世代の軽トラックを「軽トラ」という短縮俗称で呼ぶのは、いささか現実に合っていないのかもしれない。
今や軽トラは軽トラではなく、「小さな万能車」とでも呼ぶべきなのだろう。少なくとも大平拓摩さんは、スズキ スーパーキャリイという車をそのように使っている。

▼検索条件
スズキ キャリイ(11代目・現行型)×全国
大平拓摩さんのマイカーレビュー
スズキ キャリイ(11代目・現行型)
●購入価格/約140万円
●年間走行距離/約10,000km
●マイカーの好きなところ/ナウいカラー、室内の広さ
●マイカーの愛すべきダメなところ/エアコンの効きが甘い。。。
●マイカーはどんな人にオススメしたい?/普段と違ったカーライフを楽しみたい人、日常、趣味などを1台で済ませたい人

自動車ライター
伊達軍曹
外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツR EX Black Interior Selection。
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