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ネオクラを気張らず普段使いする湘南のスケーターが愛したボルボ 240セダン
2022/10/05

車の数だけ存在する「車を囲むオーナーのドラマ」を紹介するインタビュー連載。あなたは、どんなクルマと、どんな時間を?
自分のスタイルを反映した240
ネオクラブーム&経年による個体数の減少により、近年はすっかり「大事に乗られる」車へ格上げされた感のあるボルボ 240シリーズ。だが、本質はあくまで実用車であり、日常的なシーンで運用してこそ光る車であることに変わりはない。フリーランスのディレクター/デザイナーとして活動する濱さんは、その240をまさに日々の「アシ」として愛用している。
ローバー ミニやVW ビートルなどに乗っていた両親の影響もあって、物心ついたときから「車=自分のスタイルを反映するもの」という意識が根付いていたという濱さん。240セダンの前はアルファロメオ 156スポーツワゴン、その前はローバー ミニと、過去の愛車遍歴は趣味的な車種が並ぶ。
濱さんの240セダンは最終型となる1993年式。生産終了後に限定販売された「TACK」という モデルだ。登場から約30年の中古車だが、意外なことに購入から約4年が経過しても故障はほぼ皆無という。

「240はいつか乗りたいと思っていた1台だったんです。シリーズで最も信頼性が高いとされている93年式に狙いを定め、約100万円で購入しました。買い物や娘を乗せて公園へ遊びに行ったりなど、普通にファミリーカーとして使っています。妻も通勤のためにステアリングを握ることがあります」
ちなみに、この前に乗っていたアルファロメオ 156スポーツワゴンはトラブルが頻発し、かなり痛い目を見たそう。しばらく姿を見るのも嫌になりましたと濱さんは苦笑する。
外観のコンディションはお世辞にも上等とはいえないが、240の場合はへこみやくすんだ塗装もオーナーの濃密なカーライフを表す「年輪」として好ましいものに見える。ヤレていても絵になるのは、年式以上にクラシックなカタチをしている240の特権である。
もともと93年式はディテールがモダナイズされているのが特徴だったが、濱さんの愛車はルーフを白に塗り分け、メッキのサイドモールやホイールキャップ、ホワイトリボンタイヤを装着するなどして、あえて古い年式をイメージしたものへとモディファイされている。


愛車の魅力は使うほど馴染む古道具のような存在
自身がインテリアのディレクションを担当したという創作和食店の前に止められた240セダンは、重厚なボディカラーもあいまってロールス(さすがに言いすぎ?)のような威風堂々とした佇まいだ。
「昔からこういうオーソドックスな4ドアセダンに対する憧れがあったんです。330系セドリックなどの国産旧車も検討したんですけど、日常使いするにはパーツの供給が厳しそうなので諦めました。その辺、240はまだまだ不安がないので助かります」

愛車の魅力は何といっても「飽きない」ことと濱さん。見ても乗ってもアルファロメオのような分かりやすい刺激はない代わりに、ドアを開け閉めする感触ひとつとっても体に馴染んだ古道具を操るような気持ち良さがあるという。
「どんな趣味もそうですが、一定以上のめり込むと必然的に古いものに行き着きますよね。市販されているものでは飽き足らず、唯一無二の自分だけの一品が欲しくなる。今のところ他に代わる車はないと思っているので、EV化してでも乗り続けたいです」
広大なトランクには長年の趣味であるスケートボードが収まっている。愛車の雰囲気とは対照的なストリート感がじつにおしゃれ。濱さんは茅ヶ崎で生まれ育った湘南ボーイなのだ。

「イチサンヨン(国道134号線)を走るときは、すべての窓を開け放ち、純正カセットデッキで山下達郎をガンガンにかけるのがセオリーなんです。勝手に『サービス』と名付けている行為ですが(笑)」

さながら鈴木英人や永井博のイラストレーションの世界。他県からやってきた観光客がそんな濱さんの姿を目にしたら「さすが湘南!」とテンションが高まること請け合い。某テーマパークでネズミのマスコットに遭遇するようなものである。


濱邦夫さんのマイカーレビュー
ボルボ 240(初代)
●年間走行距離/約5,000km
●マイカーの好きなところ/飽きない乗り味と四角いフォルム
●マイカーの愛すべきダメなところ/内装がバン並みに質素かつシンプル
●マイカーはどんな人にオススメしたい?/部品がある分維持しやすいので、若い方にオススメです

ライター
佐藤旅宇
オートバイ専門誌や自転車専門誌の編集記者を経て2010年よりフリーライターとして独立。乗り物系の広告&メディアで節操なく活動中。現在の愛車はボルボ C30とカスタムした日産ラルゴの他、トライアンフ スクランブラー(バイク)や、たくさんの自転車。
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