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【発掘! あの頃の試乗レポート Vol.2 】1990年 日産 パルサーGTI-R|超パワフルなのに安定した走り やはり230馬力はハンパじゃない
2020/02/16

あの車のデビュー当時を振り返る
創刊36年目(2020年1月現在)を迎えるカーセンサーが、過去の試乗記を発掘し、今あえて紹介していくシリーズ。
今回は、1990年発売のカーセンサー Vol.134の記事「NEW CAR SENSOR」より日産 パルサーGTI-Rが登場したときの試乗レポートをWEB用に再構成してお届けする。
なお、本記事執筆者であり現在も活躍されているジャーナリストの石川さんより、当時を振り返りコメントをいただいたので、合わせてご覧になってほしい。
<石川さんのコメント>
学生のころからラリーに参加していた関係で、WRC制覇を狙って開発されたスーパーパルサーは早く乗ってみたい車だった。
コンパクトなボディにハイパワーを押し込み、4WDを組み合せたというだけで、ワクワクしたものだった。
試乗はノーマルバージョンだったが、フロントヘビーの車体をコントロールするのは楽しかった。
実はそのあと、写真にもある載っているNISMOバージョンに試乗させてもらった。
これが凄まじい車だった。特にLSDが組み込まれたマシンはコーナーではアクセルを踏み込まないと速く走れず、コントロールするという以前の問題だった。
プロのドライバーの凄さを思い知らされた出来事だった。
▲今回は今から30年前に発行された、「カーセンサー Vol.134」より、日産 パルサーGTI-Rの試乗レポートをピックアップ!全域で太いトルクを発生 扱いやすいエンジン
信号待ちからのスタートで、いつものように1速ギアで4000rpmぐらいまで引っ張って2速にシフトする。隣に並んでいたセリカGT-FOURがついてくる。2速で6000rpm、3速にシフトするとGT-FOURがバックミラーに映るぐらいに後ろになってしまった。どうしたのかな、と思った。
そして、首都高速に入り、加速をしていくと、追い抜いたRX-7が猛然とせまってきた。シフトダウンして加速。直線から、首都高速にありがちなちょっと急なRのカーブにそのままのスピードで入る。RX-7もバックミラーに映る距離に離れてしまった。
パルサーGTI-Rの試乗会後の、東京の深夜でのできごとであった。
しかし、このときもGT-FOURやRX-7がなぜ遅れたのか、よくわかっていなかったのだ。自分ではそんなに飛ばしたつもりでもないし、ハンドルを握っていて、こんなにスピードを出してマズイな、と思ったこともなかった。
次の日、加速データを計測して驚いた。0~400mを13秒台で走りきったのだ。これはスカイラインGT-Rとほぼ同タイム。スラロームテストでも好タイムを記録した。
WRC(世界ラリー選手権)に勝つために生まれてきたというパルサーGTI-Rはやはり普通の車ではなかった。
直列4気筒の2L DOHCターボ、SR20DET改型、230ps、29.0kg-mのエンジン。アテーサシステムのフルタイム4WD。スポーツサスペンション。
すべてがラリーユースを考えてつくられているハードマシンは、その実力もケタ外れなのだ。
しかも実際に乗ってみると意外に乗りやすい。だからこそ、冒頭のようなことが起きてしまうのだ。
230psのエンジンに対して車両重量は1220kg。パワーウェイトレシオは5.30kg/ps。5kg/ps台というのは世界の超一流レベルのスポーツカーの数値なのだ。
しかし走行中のクーボトルクの発生はとてもマイルドで太いので、体感的にこのエンジンのすごさが伝わらない。GT-Rのように3500rpmぐらいからトルクカーブが急上昇し、貧血を起こしそうになる加速力ではない。だからドライバーは緊張感がない。ちょっと恐ろしい気もする。
▲リアエンドに光る“GTI-R”のエンブレムが走りのイメージを伝える回頭性の良さと適度な硬さの乗り心地
パワーユニットがよくても足回りやミッションなどがそれに追いついていなければ、実力は出し切れない。その点でもGTI-Rは合格だ。
フロントにストラット、リアにあしらわれるリンクストラットを組み込んだサスはノーマルなパルサーと同じだが、駆動方式はセンターデフとビスカスLSDを配したアテーサ4WD。
コーナーでのロールの発生はとてもなめらかなので、姿勢が安定しているのがよい。タイトターンでは車がインに入り込むように曲がってくれる。とても回答性のよい車だ。
しかも感心したのは乗り心地も犠牲になっていないこと。195/55R14のポテンザRE71を履いていたのだが、街中でのゴツゴツ感も少なかった。さすがに高速道路で目地を越えるときは、ガツンと腰にくるショックはあるが、こういううスポーツモデルに乗る人には、十分に耐えられるはずだ。
フルタイム4WD、それもFF車ベースの車は、シフトフィーリングがあまりよくないことが多い。ところがパルサーGTI-Rは、シフトストロークも短く、カチッカチッと入るのだ。クラッチはかなり重めだが、思わず必要以上にシフトを繰り返したくなるほどだった。
ブレーキはベンチレーテッドディスクとディスクの組み合わせ。高速走行では踏力に応じて利きもよいが、ワインディングでのハード走行では、初期制動をもう少し強くしてほしい。ABSは非装着車も選択できるが、これはぜひ装着しておきたい。
室内は、本格的なバケットシートがフロントに備わり、太めの小径ハンドル、インパネ中央の3連メーターとともにスポーツムードをかもし出している。バケットシートはデュアルシートリフターも備わり、好みのポジションを得ることができる。
エンジン音は常に室内に侵入してくるのだが、これもスポーツモデルとしてはとくに欠点ではないだろう。
GTI-Rは227.0万円(ベース仕様は212.0万円)で、市販される。このオーバーなエアロパーツの車を見かけたら、あまり深追いしないほうがよい。たとえGT-Rでもカモられることがある実力の持ち主なのだ。
▲230馬力を発生するSR20DET型は全域で太いトルクを発生し扱いやすさも○
▲ホールド性も十分なバケットシート、シートリフターとリクライニングは独立して微調整が可能
▲迫力ものの大型ルーフスポイラーは高速走行時に強力なダウンフォースを得る
▲WRC制覇のために開発されたGTI-Rのベース仕様(212.0万円)、GTI-Rに比べ30kg軽い。写真の車両はNISMOパーツを装着したものパルサーGTI-R
新車時価格帯:227.0万円
中古車価格帯:170.1万~218万円
中古車流通量:3台
※上記は2020年2月6日現在のデータになります。
※1990年発売のカーセンサー Vol.134の記事「NEW CAR SENSOR」をWEB用に再構成して掲載しております。
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