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【ゲレンデの買い方】M・ベンツ Gクラスの中古車価格が1650万円で一向に安くならないので、輸入中古車評論家が2つの作戦を考えてみた
2025/05/08

数年待てば安くなるだろうと思っていたが……
「待てば海路の日和あり」という言葉がある。ご承知のとおり「我慢強く待っていれば、必ず好機が訪れる」という意味だ。
だがいくら我慢強く待ち続けていても、現行型メルセデス・ベンツ Gクラスの中古車価格が一向に下がらないのはどうしたことか?

2018年6月に受注開始となった現行型メルセデス・ベンツ Gクラス。中古車の平均価格は一時、2000万円近くまで跳ね上がった。ずいぶん高いと感じたが、大人気モデルゆえ、初期段階においてプレミアム価格が付くのは致し方ないことでもある。
それゆえ「あと3年もすればまあまあ安くなるだろう」と気楽に構えていたのだが、2025年4月下旬現在、つまり受注開始から約7年がたった今も、現行型Gクラスの中古車平均価格は約1650万円だ。
ちなみにこの金額はあくまでも平均であって、実際には、現在新車として販売されているG450d(ISG)【MP202501】の新車価格である「1824万円」よりも高額な中古の現行型Gクラスは、市場に星の数ほど(?)存在している。
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メルセデス・ベンツ G(現行型) × 全国なぜ下がらない? 需要の高さと新車供給量のミスマッチで中古車価格が高騰
現行型メルセデス・ベンツ Gクラスの中古車価格がなぜこんなにも下がらないのかといえば、要するに需要が供給を大きく上回っているからだ。

現行型Gクラスは今、メルセデス・ベンツのなかではトップクラスに人気が高い車種であり、すべての輸入車の中でも、こと富裕な人々の間ではトップクラスの人気車である。人気の理由は「カッコいいから」「イメージがいいから」「リセールが非常にいいから」などだ。
だが、Gクラスは大衆実用車と違って毎日大量に生産される類の車ではないため、新車を注文しても、納車されるまでにはかなり長い時間がかかる。時間がかかっても注文できるならまだいい方で、新車は時おり「一時受注停止」にもなってしまう。
そうなると待てない人や、新車の注文ができなかった多くの人々が「即納中古車」を検討し始め、そしてそれを実際に購入することになる。つまり現行型Gクラスの中古車は「よく売れる!」ということだ。
販売店の立場からすると、黙っていても(?)飛ぶように売れる商品を、わざわざ安売りする必要はない。また、人気にともなって業者間オークションの相場も上がってしまうため、そもそもの仕入れ価格も高くなってしまう。
そんなこんなの連鎖により、「現行型メルセデス・ベンツ Gクラスの中古車平均価格が一向に下がらない」という困った現状ができあがっているのだ。

選び方①|リセールがいい個体を狙い、トータルでの出費を減らす
以上のとおりの状況から今後もしばらくの間、現行型メルセデス・ベンツ Gクラスの中古車平均価格は大きくは下がらないと思われる。であるならば、取るべき行動は「キッパリあきらめる」か、「高いけど、なるべく納得感が持てる形で買う」かの二択になる。
あきらめるのもまたひとつの人生であるとは思うが、もしも現行型メルセデス・ベンツ Gクラスを「なるべく納得感が持てる形で買う」としたら、我々は何をどう選ぶべきだろうか?
諸般の事情を完全に無視したうえでの机上の空論的ベストアイデアは、「総額3000万円ぐらいで新しめのメルセデスAMG G63を買う」というものだ。実はこれが、トータルで見た場合には最も安上がりとなる可能性もある。

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メルセデスAMG Gクラス(現行型) × 全国現行型メルセデス・ベンツ Gクラスが発売されて以来最もよく売れるグレードは、定番のG350dやG400dなどではない。実は一番高価なメルセデスAMGの「G63」の人気が最も高いのである。
そんなG63のなるべく新しい年式の超低走行物件か、あるいは希少限定車の低走行物件を、総額3000万円ぐらいで購入する。そしてなるべく距離を延ばさないよう心がけながら1年ほど「メルセデスAMG G63がある生活」を堪能したうえで手放せば――もちろん確定的なことはいえないが、買ったときの値段に近い金額で売却できる可能性もあるだろう。
つまりこれは「払う金額は高いが、リセール額も高いので、結果として十分な納得感が持てる」という考え方だ。さすがに3000万円超級のG63を買うというのは(筆者を含め)現実的にイメージできる人は少ないと思われるが、一般的なメルセデスブランドのGクラスであっても、
・なるべく新しい年式を狙う
・またはなるべく低走行な物件を狙う
・あるいは希少限定車の、走行少なめな物件を狙う
・もしくは上記のすべてを掛け合わせる
という選び方をすることで、「高額なリセール価格がもたらす納得感」はほぼ確実に得ることができるはずだ。
もしもこの方針に基づいて総額1000万円台の物件を探すとしたら、狙い目物件はおおむね下記のとおりとなるだろう。
●総額1600万円前後のG350d マヌファクトゥーア エディション
●総額1500万円前後のG400d。できれば走行距離1万km台の物件で、できればマヌファクトゥーア プログラム


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メルセデス・ベンツ Gクラス(現行型) × 総額2000万円未満 × 全国選び方②|標準的な個体に長く乗ることで、1年あたりのコストを抑える
現行型メルセデス・ベンツ Gクラスの購入において「納得感」が持てるもうひとつの考え方は、前章とは真逆の「リセールのことは気にしないで長く乗る」という考え方だ。

2025年4月下旬現在、現行型メルセデス・ベンツ Gクラスの中古車平均価格は、確かに前述のとおり約1650万円である。しかしこれはあくまでも平均であって、それよりずいぶん安価な物件も、もちろん流通している。
具体的には総額1200万円前後で、走行距離5万km前後のG350d AMGラインを見つけることが可能だ。
そういった「安い方の平均」的な物件を、希少価値うんぬんにはこだわらず、とりあえず購入する。そして走行距離の増加がリセールに与える影響についても必要以上には神経質にならず、とにかく自分の人生に対して有意義に現行型Gクラスという車を使う。
そうすると数年後あるいは10年後、特に希少ではなく、走行距離が特に短いわけでもない2020年式ぐらいのG350dが出来上がり、とてもじゃないが「買ったときと同じぐらいの価格で売却できる」なんてことにはならないだろう。リセール価格は、確実に下がっているはずだ。
しかしそれでも、数年あるいは10年間ぐらいをG350dという素晴らしいSUVとともに生きたあなたの中には、「良き思い出」が大量に残る。もう少し生くさいことをいうのであれば、数年あるいは10年ぐらい使い続けることで、購入価格である約1200万円のうち結構な部分は「償却」できてしまう。
つまりこの「リセールのことは気にしないで長く乗る作戦」を適用すれば、良き思い出(素晴らしい経験)と償却のダブル効果により、表面的な数字以上の「納得」と「お得」を得られる可能性が高いのだ。

あまりにも状態が良くない格安物件を買ってしまうと、整備代で大変なことになるリスクはある。だが「ちゃんとしている安めの物件」探し出せれば、長期的には幸せになれる可能性が高い。ぜひ一度ご検討いただきたい作戦である。
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メルセデス・ベンツ Gクラス(現行型) × 全国
自動車ライター
伊達軍曹
外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツR EX Black Interior Selection。
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本体価格2338.0万円
支払総額2383万円