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新型VW パサートのセダン廃止に絶望した人に贈る「代わりこのプレミアムセダン、どうですか?」5選
カテゴリー: 特選車
タグ: トヨタ / 日産 / ホンダ / メルセデス・ベンツ / フォルクスワーゲン / ボルボ / セダン / クルマを選び始めた人向け / アコード / S60 / Cクラス / スカイライン / パサート / クラウンクロスオーバー / 伊達軍曹
2025/05/06

パサートは「ワゴン専用モデル」となり、セダンはあえなく廃止
昨年11月、通算9代目となる新型フォルクスワーゲン パサートが日本に導入された。
大幅な進化を遂げた新型は最新の「MQB evoアーキテクチャー」を採用し、2バルブ独立制御式のアダプティブシャシーコントロール「DCC Pro」も装備。ダイナミックな走行と快適な乗り心地が、これまでにないレベルで両立されているという。
そしてパワートレインも、2Lディーゼルターボに加えて新世代のeTSI(1.5Lターボ+マイルドハイブリッド)とeHybrid(1.5Lターボ+モーターのプラグインハイブリッド)が採用され、運転支援システムも当然ながら最新のものが搭載されたということで、「もう買うしかない!」というニュアンスの1台に仕上がっている。
だがパサートは、この世代から「ステーションワゴン専用モデル」になってしまった。

▼検索条件
フォルクスワーゲン パサート(9代目) × 全国本来はパサート=セダンであり、ステーションワゴンには「パサートヴァリアント」という別の車名が用いられていた。けれども、主要マーケットである欧州のトレンドを考慮した結果「パサート=ワゴン」ということになり、セダンは廃止されてしまったのだ。
少数ながらまだ確実に存在している「車を買うなら絶対4ドアセダン!」と考えている人にとっては、悪夢のような展開である。
だが絶望することはない。世の中には、結果として登場しなかった「幻の新型パサートセダン」と同程度のクオリティと魅力をもつセダンの中古車が、新型パサートと同程度の価格(524万~679万円)で販売されているはずだからだ。
「パサートセダンの魅力とはそもそも何か?」ということを考えつつ、次章以降、「パサートセダンの代わり」を探す旅に出よう。
幻の新型パサートセダンの代わり①|トヨタ クラウンクロスオーバー(初代)
→想定予算:総額400万~620万円
パサートセダンの魅力とは「中身的にはすごいが、決してこれ見よがしではないこと」だと筆者は考えている。
中身が優秀(高性能)なセダンというのは、得てしてエクステリアデザインもブランド性も「どうだ! すげえだろ!」とでも言いたげな“これ見よがし感”が伴っている場合が多い。
もちろんエッジの効いたデザインやブランド性をアピールするのは、決して悪いことではない。だが「自分、そういうのはあまり好きじゃないんだよね……」という人で、なおかつ「だからといって、安くて大衆的な車を買いたいわけではない」と考える人にとってのちょうどいい受け皿が、フォルクスワーゲン パサート(セダン)という車だったのだ。
今回、残念ながらそれがなくなってしまったわけだが、代わりになり得る受け皿のひとつはトヨタ クラウンクロスオーバーであるはずだ。

ご承知のとおりクラウンクロスオーバーは、計4種類のボディタイプが出揃った新型クラウンシリーズのうち、最も早いタイミングとなる2022年9月に登場したセダンだ。
トヨタの公式サイトはこの車をSUVのカテゴリーに掲載しているが、実質的には「背が高い4ドアセダン」あるいは「セダンというものの新たな解釈」と呼ぶべき存在だろう。
で、クラウンというのは「いつかはクラウン」というフレーズでお馴染みのとおり、かつてはトヨタの最上級モデルであり、ステータスシンボルでもあった。しかしその後セルシオが登場し、さらにレクサスブランドも日本に上陸したことで、クラウンはかつての「最上級」「ステータス」から「上級だが、決して最上級ではないトヨタ車」へとそのポジションを移動させた。
この新たなクラウンのポジションこそが、「これ見よがしなブランドはあまり選びたくない」と考えるパサート愛好家のマインドにフィットするはずなのだ。
とはいえ新型クラウンシリーズの「セダン」はけっこうな重厚感というかエラソー感も醸し出ているため、あまりパサート的ではない。「エステート」も同様だ。そして「スポーツ」はイケイケな感じもしないではないため、これまたパサート的ではない。
だが、オフロード向けに車高をやや上げたことで発生したクラウンクロスオーバーの軽やかさというか、車高を上げた結果として減じたエラソー感のようなものは、パサートの真髄に通じるものがある。

2トーンカラーだと若干の“これ見よがし感”が出てしまうため、パサート愛好家が狙うべきはモノトーンのクラウン クロスオーバーだ。
走行距離1万km台までに絞った場合の中古車価格(モノトーン車)は、おおむね下記のとおりである。
●RS:総額490万~720万円
●Z:総額560万~620万円
●G:総額400万~600万円
●X:総額400万~470万円
▼検索条件
トヨタ クラウンクロスオーバー(初代) × 全国幻の新型パサートセダンの代わり②|日産 スカイライン 400R(13代目)
→想定予算:総額390万~570万円
「これ見よがし感はほとんどないが、中身的にはすごい」というセダンとしては、現行型日産 スカイライン400Rも挙げられるだろう。

スカイライン 400Rは、2019年7月のマイナーチェンジ時に追加されたハイパフォーマンスグレード。同時期の標準3L V6エンジンが最高出力304psであるのに対し、400Rは小径タービンの過給圧を9.5psiから14.7psiに高めることで同405psを発生。
とはいえ決してピーキーではなく、低回転域からシルキーに強大なトルクが発生されていくいぶし銀感は、どこかパサート的である。
また、スカイライン 400Rはガンメタ塗装の19インチホイールやアルミレッドキャリパーの対向ブレーキキャリパーなどによって、その素性をさりげなくアピールはしているが、大げさな空力パーツなどは付けていない。その控えめなたたずまいも、どこかパサートに通じているように感じる。

そんな日産 スカイライン 400Rの走行距離2万km台までに絞った場合の中古車価格は総額390万~570万円といったところ。「幻の新型パサートセダンの代わり」としては、ちょうどいいプライス感ではなかろうか。
▼検索条件
日産 スカイライン(13代目) × 400R × 全国幻の新型パサートセダンの代わり③|ホンダ アコード(11代目)
→想定予算:総額450万~540万円
ここまでに挙げたモノトーンのトヨタ クラウンクロスオーバーも日産 スカイライン 400Rも、幻の新型パサートセダンの代わりとして悪くない選択肢であると確信している。
だが幻のセダンにもっとも近いのは、もしかしたらこれかもしれない。2024年3月に発売されたものの、新車はあまり売れているとは言い難い「現行型ホンダ アコード」だ。

初代から数えて11代目にあたる現行型アコードは、全長4975mm×全幅1860mm×全高1450mmというボディサイズからして、脳内にのみ存在する「新型パサートセダン」に近い。
そしてシュッとしていてけっこうカッコいいファストバックフォルムなのだが、どこか地味にも感じられる部分もあるエクステリアデザインもパサートっぽく、シンプルなデザインだが上質さが感じられるインテリアの造形も、通じるものがありそうだ。
そして現行型ホンダ アコードは走らせてみても、「幻の新型パサートセダン」をどことなく想起させる。足回りのニュアンスは良い意味で中庸であり、きわめて自然。そしてアトキンソンサイクルの2L直噴直4エンジン(最高出力147ps)と新開発の高出力モーター(同184ps)を組み合わせた2モーター式ハイブリッド「e:HEV」の気持ちよさと扱いやすさも、もちろんフォルクスワーゲンのeTSIと趣きは異なるが、近いといえば近い。
つまり「すべてにわたって“普通にイイ”」という部分が、パサートに似ているのだ。

そんな現行型ホンダ アコードの中古車価格は、走行距離が数百kmから数千kmの中古車に絞った場合でも総額450万~540万円程度。
もしも「幻の新型パサートセダン」が登場していたならば、もう少し高額だったのではないかと思う。その点では金額的にお得な選択肢と言えよう。
▼検索条件
ホンダ アコード(11代目) × 全国幻の新型パサートセダンの代わり④|ボルボ S60(現行型)
→想定予算:総額450万~540万円
先ほど挙げた現行型ホンダ アコードこそが「幻の新型パサートセダンの代わり」としてはベストな気がしているが、「自分はやはり国産車ではなく輸入車の方が好きだ」という方もいらっしゃるだろう。
そんな場合には、現行型ボルボ S60のマイルドハイブリッドモデルがオススメとなる。

ご承知のとおり現行型ボルボ S60は、2019年11月に上陸したボルボのDセグメントセダン。ボディサイズは全長4760mm×全幅1850mm×全高1435mmで、現行型ホンダ アコードや「幻の新型パサートセダン」より若干小ぶりだが、むしろ日本の道ではこのぐらいの方が扱いやすいだろう。
また、近年のボルボらしいスポーティでシュッとしたデザインも、近年のシュッとしているフォルクスワーゲンデザインに若干通じるものがある。

そんな現行型ボルボ S60もさすがに初期モデルは(新型パサートの代わりとしては)いささか古いが、中心的なパワーユニットが48Vマイルドハイブリッド化された2020年11月以降の世代であれば、まだまだ戦闘力は高い。
走行距離2万km台までの中古車に限定した場合、B4系(2Lターボエンジンの最高出力は197ps)とB5系(2Lターボエンジンの最高出力は250ps)の中古車価格はおおむね下記のとおりだ。
●B4系:総額340万~560万円
●B5系:総額350万~440万円
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ボルボ S60(3代目) × ハイブリッド × 全国幻の新型パサートセダンの代わり⑤|メルセデス・ベンツ Cクラス(5代目)
→想定予算:総額470万~590万円
ここまでは「中身的にはすごいが、決してこれ見よがしではないこと」を基本軸としながら、幻の新型パサートセダンの代わりを考えてきた。
しかしこの際そういった軸を破棄し、「これ見よがしでわかりやすい車種またはブランドをあえて選んでみる」という選択をするのも悪くないのでは――と思う。
私事で大変恐縮だが、筆者は過去、様々な国からの輸入車(中古車)を購入して乗っていたものの、イタリア車だけは買えないでいた。なぜならばイタリア車というのはあまりにも「イカした感じ」であるため、それを選ぶのがなんとなく恥ずかしく、また「自分には似合わない」とも思っていたからだ。
だがあることをきっかけに、清水の舞台から飛び降りるつもりで(?)アルファ ロメオ GTVというイタリア車を買ってみたら――ただただ新しい世界が開けただけだった。
まぁアルファGTVの「イカしてる感じ」はやっぱりちょっと恥ずかしかったが、それはそれとして「今までの自分ではあり得なかったこと」として楽しむことができ、結果として、自分の世界や価値観を広げることができたのだ。

そういった意味で筆者は今、「これ見よがしではないセダン」を買おうとしているあなたに、「これ見よがしなセダン」の購入をオススメしたいと思っている。
その際の車種は何でもいいといえばいいのだが、例えば、超絶メジャーで超これ見よがしな「ベンツ」でどうだろうか? 新型パサートの代わりとして選ぶとしたら、現行型メルセデス・ベンツ Cクラスになるのではないかと思う。


「いや、そこまでベタで派手な選択はちょっと……」「メルセデスなんて買ったら、近所の人に何言われるかわからないし……」という気持ちもよくわかるつもりだ。だが――所有してみるとわかるが、やはり“ベンツ”はイイのだ。車そのものとしても、いわゆるステータスシンボルのようなものとしても、なんだかんだでその他のブランドとは別格な部分がある。
そんな“ベンツ”を一度自分で所有してみるのは、長い人生を歩むうえでけっこう重要というか、素晴らしい経験であるように思うのだが、いかがだろうか?
幸いなことに今、現行型メルセデス・ベンツ Cクラスの走行距離が数千kmレベルの中古車は、「幻の新型パサートセダン」の幻の新車価格とだいたい同じと思しき総額480万~640万円ぐらいである。
▼検索条件
メルセデス・ベンツ Cクラス(5代目) × 全国
自動車ライター
伊達軍曹
外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツR EX Black Interior Selection。
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