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エコカー比較!初代アクアvs3代目フィットハイブリッドvs2代目ノートe-POWER
2019/06/21

燃費が良ければ他には目をつぶる……そんな時代は終わりました。燃費が良いのは大前提。乗り心地はいいのか、運転して楽しいのか、荷物は積めるのか。今やエコカーにも燃費以外の魅力が求められています。
そんな新時代のエコカーの中でも日本を代表する3台、トヨタ アクア(初代)、ホンダ フィット(3代目)、日産 ノート(2代目)のハイブリッドモデルを比較。その燃費と燃費以外の魅力を浮き彫りにします。
【概要】アクア、フィットハイブリッド、ノートe-POWERの順に登場
トヨタのアクア、ホンダのフィットハイブリッド、日産のノートe-POWERはいずれも5ドアハッチバックスルのハイブリッドカー。コンパクトで、乗車定員が5名なのも共通しています。
その中で最も早く登場したのがアクア。2011年にデビューしました。一番古いモデルというとネガティブなイメージをもつかもしれませんが、8年以上も長く(4年から5年が一般的)生産されているのは、根強い人気に支えられてきたからに外なりません。そして、ロングセラーだからこそ改良を重ねられた“完成された1台”でもあります。

3代目フィットハイブリッドは2013年に登場。ベースとなるガソリンエンジンモデルとは異なる、専用のフロントグリルやヘッドライトデザインが採用され、外観から差別化されています。

2代目ノート e-POWERが登場したのは2016年。2012年から発売されている2代目ノートに、新電動パワートレインである「e-POWER」を搭載したモデルです。外観はベースのノートと同じですが、フロントグリルにはe-POWER専用のブルーラインが入っています。後述しますが、同じハイブリッドでも、アクアやフィットハイブリッドとは異なる駆動方法を採用しながら、爆発的な人気を獲得しています。

【ボディサイズ】アクアは他の2台よりも背が低い
アクアのボディサイズは全長4050mm×全幅1695mm×全高1455mm。これは同じくトヨタのコンパクトカーであるヴィッツよりも、少しだけ全長が長くて背が低くなっています。つまり、空気抵抗を少なくして、燃費を向上させるフォルム。それは、燃費至上主義のハイブリッドカーに特化したボディと言えるでしょう。
対する、フィットハイブリッドのボディサイズは全長3955mm×全幅1695mm×全高1525mmで、ノートe-POWERのボディサイズは全長4100mm×全幅1695mm×全高1520mm。この2台とアクアが決定的に違うのは背の高さです。
フィットハイブリッドとノートe-POWERはガソリンモデルとボディを共有していますが、両ガソリンモデルのライバルにはヴィッツが挙げられます。フィットとノート、そしてヴィッツにはコンパクトカーの基本要件として「ボディは小さくても居住空間は広い」ことが求められます。そのため、全高を立体駐車場に入る(1550mm)ぎりぎりまで背を高くしているのです。
一方、アクアはボディをハイブリッドモデルのみで、ボディも専用設計。だからこそ、思いっきり燃費重視に振ったデザインを成立させられたのでしょう。アクアは背が低いので、ずんぐりむっくりとしがちなコンパクトカーとは違ったスポーティさがあります。

【居住性】背の低いアクアは他の2台に比べて狭い
アクアとフィットハイブリッド、そしてノートe-POWERの居住性を比べると、アクアは少し狭く感じることでしょう。なぜなら他の2台よりも全高が約7cmほど低いため、室内の天井も低くなっているからです。



これはラゲージルームの積載性にも影響しています。フィットハイブリッドのラゲージルーム容量が318L、ノートe-POWERの容量が330Lなのに対して、アクアは305L。もちろん荷室は容量だけでなく、ホイールハウスが出っ張っていないかなど形状も大切。積みたいアイテムが決まっている方は、スペックだけでなく、実際に積んでチェックしたいところです。
【バリエーション】各モデルの中核グレードから狙いを定めたい
アクア はロングセラーだけあってマイナーチェンジが多く、2011年12月~2014年11月の「前期モデル」、2014年12月~2017年5月の「中期モデル」、2017年6月~現在の「後期モデル」に分類できます。パワートレインに大きな変更はありませんが、燃費やデザイン、装備には違いがあります。



とはいってもデザインは好みの問題なので、最も気にするべきは装備であり、グレードとなります。グレードのバリエーションは上位から「G」、「S」、「L」の3グレード展開です。また、クロスオーバースタイルの「Crossover」なども選べます。
フィットハイブリッドもマイナーチェンジによって3つに分類できます。2013年9月~2015年8月の「前期モデル」、2015年9月~2017年5月の「中期モデル」、2017年6月~現在の「後期モデル」と分けられ、アクアと同様にグレードに注目するのが良いでしょう。グレードは4種類あり、パワートレインなどは全グレード共通です。



ノートe-POWERは2016年に追加されたモデルだけあって、マイナーチェンジによる分類は現時点ではありません。ただ、2018年7月以前には4WDモデルが用意されていません。4WDが必須条件という人はご注意ください。
そんなノートe-POWERのグレードは3種類。上位から「e-POWER MEDALIST」「e-POWER X」「e-POWER S」となっています。
3車のラインナップには、ひとつ大きな違いがあります。それは4WDの設定。フィットハイブリッドとノートe-POWERには4WDがあり、アクアにはありません。例えば降雪地域にお住まいで4WDが必須と考えるなら、選択肢はフィットハイブリッドか、ノート e-POWERに絞られます。
また、アクア、フィットハイブリッド、ノートe-POWERにはそれぞれ、装備と価格のバランスに優れたグレードがあります。アクアならS、フィットハイブリッドならHYBRID Fパッケージ、ノートe-POWERならe-POWER Xです。これらのグレードを基準として「もう少し装備を充実させたいから上位グレード」という具合に購入を検討すると、グレード選びもスムーズになるでしょう。

【ハイブリッドシステム】e-POWERは電動モーターだけで走る
アクアもフィットハイブリッドもノートe-POWERもハイブリッドカーですが、そのシステムは三者三様。そのキャラクターを明確にするために強いていえば、熟成された制御でスムーズなのがアクア、スポーティなのがフィットハイブリッド、新感覚なのがノートe-POWERとなっています。どれが良いかは好みでしかないため、気になる車種を試乗して確認することをオススメします。
アクアは、プリウスのハイブリッドシステムをベースに作り直した「THSII」を搭載。メカニズムとしては1.5Lのガソリンエンジンに2つの電動モーターを組み合わせています。モーターが駆動用と発電用の2つあることで、エンジンの回転をサポートしたり、逆にガソリンエンジンの回転でバッテリーを充電したり、さらにはモーターのパワーだけで走ったりできます。
その結果、2011年のデビュー時に全グレードでJC08モード燃費35.4km/Lを達成。2017年6月のマイナーチェンジではLグレードで38.0km/Lを記録しました。燃費の良さもさることながら、完成度の高い熟成されたシステムです。
最高出力:54kW[74ps]/4800rpm
最大トルク:111N・m[11.3kgf・m]/3600-4400rpm
最高出力:45kW[61ps]
最大トルク:169N・m[17.2kgf・m]
フィットハイブリッドのシステムは「SPORT HYBRID i-DCD」を採用。アクアとの最大の違いは電動モーターが1つしか付いていないことです。モーター1つで駆動と発電を担うため、そのままでは常にエンジンが回転する構造となりますが、エンジンの回転からモーターを切り離せる機構を設けることで、電動モーターだけで走れます。
この1モーターのアドバンテージは小型軽量です。1.5Lのガソリンエンジンと伝達効率の良い7速DCTを組み合わせており、フィットハイブリッドの走りは軽快。JC08モード燃費も、2013年のデビュー時にはハイブリッドで36.4km/L、2017年6月のマイナーチェンジ後には同グレードで37.2km/Lを実現しました。
最高出力:81kW[110ps]/6000rpm
最大トルク:134N・m[13.7kgf・m]/5000rpm
最高出力:22kW[29.5ps]/1313-2000rpm
最大トルク:160N・m[16.3kgf・m]/0-1313rpm
ノートe-POWERは、1.2Lガソリンエンジンと電動モーターの組み合わせですが、FFモデルの場合はフロントモータのみで、4WDモデルの場合はリアモーターも追加されます。
このハイブリッドシステムの最大の特徴は、ガソリンエンジンは給電と充電にしか使われないこと。その電力を利用してモーターの力だけで走行します。ユニークなシステムですが燃費性能は優秀で、JC08モード燃費はe-POWER Sで37.2km/Lとなっています。
最高出力:58kW[79ps]/5400rpm
最大トルク:103N・m[10.5kgf・m]/3600-5200rpm
最高出力:80kW[109ps]/3008-10000rpm
最大トルク:254N・m[25.9kgf・m]/0-3008rpm
最高出力:3.5kW[4.8ps]/4000rpm
最大トルク:15N・m[1.5kg・f m]/1200rpm

【走行フィーリング】他の2台とは異なるノートe-POWERの走行感覚
アクアのパワートレインはプリウス譲りです。エンジンとモーターを制御が素晴らしく、エンジンで走っているときにモーターへ切り替える、モーターで走っているときにエンジンに切り替える、さらにその両方を使って走るといった、それぞれ走行状態のつなぎめにショックを感じさせません。実にスムーズです。
また、重量のあるバッテリー類が後部座席の下という低い位置へ収められて低重心なので、走りに安定感があります。
フィットハイブリッドは、ハイブリッドシステムと7速DCTの相性が◎。このDCTはマニュアルのクラッチ操作を自動でやってくれて、シフトチェンジが速く、駆動にダイレクト感もあります。ハイブリッド Sならパドルシフトも付いているので、よりスポーティに走らせたい人にはベターな選択肢となりまし。
ノートe-POWERの走行フィーリングは独特。電動モーターで走るのでEVに近い走行感覚となっていて、トルクフルで低速から加速してくれます。また、「eペダル」というモードにすると、アクセルペダルを戻したときの減速が強くなります。踏んで加速、戻して減速(=ブレーキ)が可能になる、ワンペダルのようなドライビングが新鮮です。

【安全装備】フィットハイブリッドとノートe-POWERに軍配
アクアの安全装備として注目すべきは、衝突回避支援パッケージ「トヨタセーフティセンス」です。このパッケージには、衝突回避支援型プリクラッシュセーフティ、レーンディパーチャーアラート、オートマチックハイビームがセットになっています。レーザーレーダーと単眼カメラという2つのセンサーを組み合わせているので、認識性能が高いのが特徴です。
アクアには2015年11月以降にトヨタセーフティセンスが設定されていますが、当時は「トヨタセーフティセンス C」で、2018年4月以降から「トヨタセーフティセンス」に変更されました。その違いは歩行者も認識するか否か。後者は認識するので、より高い安全装備を求めるなら、2018年4月以降のモデルが狙い目です。
フィットハイブリッドには安全運転支援システム「ホンダセンシング」を搭載。衝突を予測してブレーキをかけたり、前を走っている車とちょうどいい距離を空けて走ったり、車線の真ん中を走るのをサポートしたりする機能を備えています。この装備は2017年6月のマイナーチェンジ以降のモデルに設定されています。
そしてノートのe-POWER にも、インテリジェントクルーズコントロールやエマージェンシーブレーキ、LDW(車線逸脱警報)、踏み間違い衝突防止アシストなどが設定されています。
3台を比べたとき、フィットハイブリッドとノートe-POWERは、車線をはみ出しそうになったときにドライバーへアラートを出すだけでなく、ステアリング操作をサポートする仕組みが備わっています。アクアについてはアラートだけです。この点だけをみれば、フィットハイブリッドとノートe-POWERにアドバンテージがあります。

【中古車価格】アクアは低年式車が含まれているのでお手頃物件が多め
アクアのカーセンサー掲載台数は6896台(2019年6月19日現在)。フィットハイブリッドは2124台で、ノートe-POWERは1119台と、生産年数どおりに差が出ています。しかもアクアロングセラーだけにお手頃な「前期モデル」、コスパの高い「中期モデル」、安全装備が充実した「後期モデル」と分けられ、さらに特別仕様車も豊富。バリエーショの点ではアクアは他の2台よりも優位に立っています。
気になる価格帯はアクアが19万~254万円。フィットハイブリッドは40万~233万円で、ノートe-POWERは約80万~約287万円となっています。当然、低年式がある分、アクアは安い物件が多くなっています。しかし、2019年式&走行距離5000km以下で比べてもアクア >ノートe-POWER>フィットハイブリッドの順で安い物件が多くなっています。
単純にお手頃な中古車を探したいなら低年式のアクアがオススメですが、高年式で装備が充実している中古車を探すなら大差がないのが現状です。そういう意味では、まず自分の望む条件ではどの車種が一番オトクか検索してみるのが、車種選びの第一歩となるでしょう。
photo/トヨタ、ホンダ、日産
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トヨタ アクア(初代)とホンダ フィット(3代目)と日産 ノート(2代目) × ハイブリッド × 修復歴なしこの記事で紹介している物件
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