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「若い女の子に乗ってほしい!」ファンタジーなC4カクタスに、テリー伊藤が酔いしれる
カテゴリー: クルマ
タグ: シトロエン / クロスオーバーSUV / C4カクタス / EDGEが効いている / テリー伊藤 / 高橋満
2018/10/01

普遍的なデザインは、色あせずに人々を魅了し続けます
今回は、「CAR BOX横浜」で出会ったシトロエン C4カクタスについて、テリー伊藤さんに語りつくしてもらいました。
~語り:テリー伊藤~
C4カクタスをモーターショーで初めて見たときはショックでしたよ。なんてファンタジーに溢れた車なんだと。ルノー キャトルやシトロエン 2CVを初めて見たときと同じ感覚です。


なぜ日本のメーカーはこういう車を作れないのでしょうか。
惜しいものはあるんですよ。スズキ ハスラーとか、日産 キューブとか。キューブはキャンバストップ仕様を設定して、あと10年くらい作り続けてほしい。そうしたらきっと人々の見る目が変わってスズキのSRのようなおもしろい立ち位置になると思います。……でも現実は難しいでしょうね。
使い古された言い方になりますが、日本車にファンタジーがないのは文化の違いなのでしょう。
シトロエンの“エアバンプ”と呼ばれるボディサイドのプロテクターは、まるでハーシーズのチョコレートのよう。こんな発想、日本の文化からは絶対に生まれませんよ。

そしてもうひとつ。日本のカーデザインは「この街に似合うように」という視点が欠けていると感じます。
これはデザイナーが悪いのではありません。「この街に似合うように」と思える場所が日本には数えるほどしかないんです。言い換えるなら、どこの街も風景は同じ。街道沿いに全国展開するチェーン店が並ぶ似たような光景です。
だからCMでも金沢や京都など、決まった場所が日本のアイコンとして使われる。
必然的に車は街や風景に合わせるのではなく、「便利な機能が欲しい」「車庫入れが楽な車に乗りたい」という人々の嗜好に寄せたものが多くなります。これは悪いことではないんですよ。
その証拠に日本の車の機能性は間違いなく世界でトップです。ミニマムクラスの軽自動車にまでいろいろな機能がたくさん盛り込まれているなんて、世界中探しても日本車だけです。
反対にヨーロッパの車は、100年前から変わらない街角に現れたとき、目を奪われる。石畳に佇む姿が美しく見えるというデザイナーの狙いがあるように感じます。
C4カクタスのデザインには不思議な魅力がありますね。
とてもファンタジーで、人によってはアバンギャルドな雰囲気を感じるはず。でも良く見ると、ルノー カングーのような普遍的な魅力も合わせ持っています。このデザインは、ずっと色あせずに人々を魅了し続けるでしょう。


テリー伊藤なら、こう乗る!
この車はきっと、海より山が似合うでしょうね。僕なら軽井沢あたりでのんびりドライブを楽しみます。でも、僕みたいなおじいさんではなく、若い女の子に乗ってほしい車ですよ。
例えばアウトドア雑誌。昔は特集の内容も紹介される商品も山岳部っぽい無骨なものが多かったのに、今は“山ガール”がブームになったことでポップな企画が増え、デザイン性に富んだカラフルな商品が数多く紹介される時代です。
そして街でも多くの女性がアウトドアブランドをファッションに取り入れている。C4カクタスはまさにそんな感じで楽しめる、新時代のクロスオーバーSUVだと思いますね。


理由はわかりませんが、C4カクタスは2018年のマイナーチェンジでエアバンプが小さくなってしまいました。日本では販売されないモデルですが、最新型がファンタジーなデザインを捨ててしまったのはとても残念です。

このマイナーチェンジで、前期型のプレミアム性は一層高まったと思います。
日本に正規輸入されたC4カクタスはわずか200台。発売から2年経った現在でも中古車市場ではプレミア相場になっています。この状況はしばらく続くでしょう。
ただ、残念なこともあります。日本仕様は最高出力82psの1.2L 3気筒ガソリンエンジンを搭載。あまりにパワー不足なうえ、シングルクラッチの5段ETGもギクシャクしがち。
本国にはディーゼルモデルや110psのガソリン+6ATというモデルもあったのに……。
日本に入ってこない楽しい車に乗るためには、並行輸入されたものを探すしかありません。
今回お邪魔したCAR BOX横浜は、日本ではなかなか見ることのできないワクワクする車を社長の嗅覚で探し出し、日本に輸入しているお店です。
こういうお店は本当にありがたい存在です。
だって、多くの人がカーシェアリングなどを利用する時代に、夢溢れる車を数少ない車好きに教えてくれるのですから。
希少モデルの、さらに希少なグレードで優越感を味わってみませんか?


シトロエン C4カクタス
2015年にヨーロッパで発売されたコンパクトなクロスオーバーモデル。ボディサイズは全長4155mm×全幅1735mm×全高1530mmと、日産ジュークと同じくらいの大きさになる。ボディサイドにあるチョコレートのようなプレートはエアバンプと呼ばれ、空気の入った吸収材で隣の車がドアを開けたときの衝撃からボディを守るもの。本国ではエアバンプの色をオーナーが注文時に選ぶことができた。日本では2016年に200台限定で販売され、即完売。2018年のマイナーチェンジでは、サスペンションにPHC(プログレッシブ・ハイドロリック・クッション)が採用された。
photo/柳田由人
■ テリー伊藤(演出家)
1949年12月27日生まれ。東京都中央区築地出身。これまで数々のテレビ番組やCMの演出を手掛ける。現在『ビビット』(TBS系/毎週木曜のみ8:00~)、『サンデー・ジャポン』(TBS系/毎週日曜9:54~)に出演中。単行本『オレとテレビと片腕少女』(角川書店)が発売中。現在は多忙な仕事の合間に慶應義塾大学院で人間心理を学んでいる。
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