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ロータリーエンジンを積んだ最後のモデル、RX-8は刺激にあふれている!
2017/12/11

ロータリーエンジンは昔から良く回るエンジンだった
カーセンサーでは毎年、中古車市場の発展とユーザーのカーライフの充実に最も貢献したモデルを決める『カーセンサー・カー・オブ・ザ・イヤー』というものを実施している。
今回は、2017-2018のイヤーカーに選ばれた「マツダ RX-8」をドライブしてきたのでその模様をお伝えしたい。
ロータリーエンジンを搭載するマツダ車でスポーツドライビングをしたら、甲高いエンジンサウンドに病みつきになるはずだ。
私が初めてロータリーエンジン車をドライブしたのは、マツダ RX-3のスポーツステーションワゴンだった。今から32年ほど前のことだが、ワゴンでもスポーツカーのようなフィールを生み出していた。
そのときに「どこまでもよどみなく回るエンジン」であると感じた。当時からマツダのスポーツカーに対するこだわりは、相当なものであったのだろう。
当時のエンジンには、回転数をおさえるリミッターは付いていなかった。代わりに警告音が鳴るのだが、アクセルを踏み続けると「どこまでも回り続けてしまうのでは?」と感じていた。
低回転のときは決してトルクフルではないが、エンジンの回転数を上げるとグングンとトルクが盛り上がってくる。こういったドラマチックなところも、スポーツカーらしくて好きだった。
至るところにマツダの“こだわり”が見える
初めてRX-8に試乗したのは、2003年の終わり頃だった。寒かったことを覚えている。
ロータリーエンジンは、冷えている状態と暖まった状態ではドライバビリティに違いがある。低温時にはトルクが細いが、暖まるにつれ太くなっていくのだ。
まず乗ったのは6AT仕様だった。MT仕様を楽しみにしていたので少しがっかりしたが、NAのロータリーサウンドはハーモニックで気持ちが良いものであった。 ATでも、ぐっと回転を上げて走ればとても気持ち良い。
急カーブが連続する山間部よりも、高速の緩やかな道をクルージングする方が適していると感じた。
先代のFD型RX-7と比べると、シャシー剛性が高い。しかも4人がしっかりと乗れるパッケージングは、ピラーレス4ドアでとても考えられていた。今でも魅力的だと思う。
その後、最もパフォーマンスの高い6MTに試乗したのだが、回転も軽快で軽さが際立ったモデルだった。
サスペンションはATの方が心地よく、MTの方は、安定感があるハンドリングマシンだったように記憶している。
電動パワステのセッティングは難しく、他車はダイレクト感の少ないものが多かったが、RX-8はとても良かった。ここにもマツダのこだわりを感じることができた。

そして、発売から12年たった今回、マツダが保管している最終型のRX-8に試乗することができた。グレードは最後の特別仕様車であるスピリットRだ。
今改めて見ても独特なスタイリングだ。低く見せるデザインは、エンジニアリングのおかげである。ロータリーエンジンの搭載と低重心化を考え抜いて設計されているのだ。
着座するとスピリットR専用の、質の高いシートがしっかりと身体をサポートしてくれる。 目線が低いのがとても良い。
運転席からフロントフェンダーの稜線を見ることができる意匠も、スポーツカー好きのマツダがこだわった部分であろう。
エンジンをかけると静粛性は良好だ。クラッチを踏み、FRならではのダイレクトなシフト感覚を確認し、ギアを入れる。
次世代ロータリーエンジンといわれた『RENESIS(※エンジンの呼称)』はとても扱いやすく、ハーモニックなロータリーサウンドはもっと回してくれと言わんばかり。官能的に刺激するエッセンスが満載だ。
サスペンションもしなやかに動き、成熟された車であることを物語っている。
RX-8 スピリットRは、以前に伊豆スカイラインで試乗している。そのときにはコーナーが連続する場面が何度もあり、コントロール性の高さは身をもって体感している。
ステアリングを軽く切れば吸い付くようにコーナーをトレースし、アクセルを開ければシビれるようなロータリーサウンドが響く。
とても気持ちの良いドライブを楽しめる。
キレのよいクラッチとレスポンスの良いエンジンは、シフト操作を楽しくさせる。 最適な重量バランスによってブレーキの利きが高まっていることもわかる。
成熟したモデルというのは、「速く」走るよりも「気持ち良く」コーナーを通過したくなるのだ。
マツダが今後も後世に残すべき、記憶に残る渾身のモデルである。



【試乗車情報】
車名:マツダ RX-8(初代)
グレード:スピリットR
年式:2011年
エンジン:ロータリー
駆動方式:FR
ミッション:6MT
修復歴:無
走行距離:2.3万km
【関連リンク】
photo/篠原晃一
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