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オーナーの思いがたっぷり詰まったフル公認のL型搭載グロリア【東京オートサロン2020】
2020/01/30

ちょっと古い車にさらに古いエンジン?
2020年1月10日~12日まで千葉県にある幕張メッセ行われていたチューニングカーの祭典『東京オートサロン2020』。展示車両の中で「あっ!」と驚くようなカスタムが施された車両にフォーカスしレポートする。
会場で我々が唯一お目にかかれた日産 グロリア(11代目Y34型)ベースのカスタマイズカー。
会場で目にしたとき、思わず「お、派手! いや地味?」という言葉が口をついて出てしまった。
キャンディブルーのボディカラーはいかにも派手だが、それ以外の外装はいたって地味だ。
タイヤがフェンダーからハミ出していないのはもとより、オーバーフェンダー、エアロパーツの類もほとんど装着されていない。
そもそもグロリアをベース車に選ぶという時点でシブすぎる……。
ところが、ボンネットフードの中を覗いて驚いた。
そこには往年の名機、L28型エンジンが鎮座していたのである。

L型エンジンを最新の電子制御で動かす
L型エンジンといえば、1960~1980年代の日産車に搭載され、一時期は主力にもなったエンジン。
現在、ほとんどのエンジンは、吸気バルブと排気バルブがシリンダーヘッドの左右に分かれて配置されているクロスフロー方式となっているが、このL型エンジンは同じ側に吸排気バルブが配置されるカウンターフロー方式を採用している。
しかも、シリンダーブロックは重い鋳鉄製。
かつてのグロリア/セドリック、初代および2代目フェアレディZなどに搭載され、当時は改造しても壊れにくく、チューニング次第で化けるエンジンとしてカスタム派にもてはやされた。それは事実。
ただ、Y34グロリアに載せるにしても、さすがに設計が古すぎるのでは? そんな疑問が湧いてくる。
ところがどっこい、エンジン本体こそL型だが、ありとあらゆる箇所に手が加えられ、実質的には全く別モノのエンジンに仕上げられているのだ。

燃料噴射はマルチポイントインジェクション化し、MoTeCのECUでシーケンシャル制御。スロットルバルブはRB26用の6連スロットルを加工して装着している。
他にもダイレクト点火方式に変更するなど、制御システムを完全に電子化し、実に320psもの最高出力を獲得。
さらにRB用5速クロスミッションも装着されており、グロリアがもつ“オジサンセダン”のイメージから大きく飛躍したスポーティな性格となった。
日本のチューニング文化が作った車
もちろん、エアコンやパワステ、メーターなどもベース車同様に作動。
この車を手がけたTIC代表の越川氏によると「パワーアップすると一般的に乗りづらくなったり、排気が臭くなったりしますが、そうした犠牲を一切排除したかったんです」とのこと。
実はこのTIC、チューニングショップでもなければ、パーツメーカーでもない!
改造車の公認登録や排ガス検査などを業者から請け負う、検査業務のプロなのだ。
この車両についても、ホイールのリムはフェンダーと面一までとし、ローダウンしながらも下まわりやマフラーを底上げして最低地上高10cmを確保。
ショーカーであっても、そのまま車検を通せて公道走行可能な仕様としているのは、職業柄ゆえのこだわりなのである。

「L型エンジンは日本のチューニング業界において、礎となった名機。今回の車両製作にあたっては、そうした背景を大切にしました」と語る越川氏。
このデモカーは自身の50歳誕生日を記念して作った車でもある。
L型エンジン、チューニングへの熱い思いがひしひしと感じられた1台だった。


■エンジン系
型式:L28改
排気量:3000cc
出力:320ps(235.4 kW)
チューニング内容&使用パーツ:L28改エンジンにスワップ・6連スロットル・ステンタコ足・ECUはMoTeC制御・RB用5速クロスミッション・OSツインクラッチ・OS LSD
■排気系
マフラー:TICワンオフ
■外装関係
エアロキット名:モードパルファム
ボディカラー:ブルー
■内装関係
シート:Sparco R100
メーター:MoTeC ダッシュロガー
■サスペンション
サスキット名:IDEAL Dampers
ブレーキ:プロジェクトミュー キャリパー・ローター
■ホイール
ホイールメーカー・名称:スピードスター メッシュ
サイズ(F):19インチ 8.5J
サイズ(R):19インチ 9.5J
■タイヤ
タイヤメーカー・名称:LUCCINI
サイズ(F):235/35R19
サイズ(R):245/35R19

自動車ライター
田端邦彦
自動車専門誌で編集長を経験後、住宅、コミュニティ、ライフスタイル、サイエンスなど様々なジャンルでライターとして活動。車が大好きだけどメカオタクにあらず。車と生活の楽しいカンケーを日々探求している。プライベートでは公園で、オフィスで、自宅でキャンプしちゃうプロジェクトの運営にも参加。
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