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計14輪生活! 「走ることに取りつかれた男」がロータス エリーゼに行き着いた理由
2025/05/09

【連載:どんなクルマと、どんな時間を。】
車の数だけ存在する「車を囲むオーナーのドラマ」を紹介するインタビュー連載。あなたは、どんなクルマと、どんな時間を?
極上のエリーゼとの出会い
新緑が美しい青空の下、軽快なエンジン音を響かせながら現れたのは、3代目ロータス エリーゼ。鮮やかな黄緑色のボディに、レーシングマシンのように低く構えたその車から降りてきたのは、笑顔が爽やかなオーナーの中村さんだ。
「出会いは、ほんと偶然だったんですよ」

ある日、立ち寄った中古車店で目を奪われたのが、この「アイソトープグリーン」という奇抜な純正カラーをまとったエリーゼだった。走行距離は約1万2000km、ガレージ保管の極上車。条件が揃いすぎていた。
「これはもう買うしかない」と即決。購入後、友人に報告すると、「こいつ、ついにやりやがったな」と驚かれたという。うれしそうにそのときの様子を話す姿に、満足感がにじむ。


エリーゼはただのスポーツカーではない。車重は1tを切り、走りに必要のない装備は一切が省かれている徹底したピュアスポーツだ。
中村さんは、購入後すぐに20mmほどローダウンし、アルミホイール、ブレーキローターの交換、LSDの装着など、自身の好みに合わせたチューニングを施した。日光サーキットや袖ヶ浦フォレストレースウェイでその真価を発揮する。
「重い車じゃ味わえない、レスポンスの良さがあります。体とマシンが一体になる感じがたまらないんです」

中村さんは理系出身。大学ではリニアモーターなどを学び、現在はMRIなどの超電導機器を冷やす極低温冷却器を製造するメーカーで働いている。そんな精密な世界に身を置く日常の一方で、週末はロータスのステアリングを握り、風を切って走る。そのギャップが日々を豊かにしているのだという。
普段の通勤は電車。だからこそ、休日にふらっとエリーゼで流す時間が格別のリフレッシュになる。

「風景が後ろに流れていく感じがいいんですよ。まるで映画のフィルムを眺めているみたいで」
その語り口から、“走る”という行為が中村さんにとって単なる趣味ではないことが伝わってくる。

何に乗っても走ることが楽しかった
車との出会いはさかのぼること大学時代。
初めての愛車は日産 シルビアで、当時はドリフトに夢中だった。その後、トヨタ スターレットへと乗り替え、サーキットでのグリップ走行にも挑戦。
のちにスバル インプレッサやWRX、三菱 ランサーエボリューションⅧと乗り継ぎ、数々の走行経験と技術が、今のエリーゼにしっかりとつながっている。

そして中村さんの乗り物人生に忘れてはならないのがバイクの存在だ。16歳で原付免許を取得して以来、バイクは常に生活の一部だった。
現在所有しているのは、オフロードバイクのBMW F900GS、サーキット用(ナンバーなし)のBMW G310R、そしてナンバー付きで公道も走れるBMW S1000RR。もてぎサーキットに出向き、レースにも積極的に参加している。
「オンロードもオフロードも、路面なんて関係ない。本能で走っているのかもしれないですね」
そう言って笑う表情は、少年のように無邪気だ。

中村さんは、いわゆる“ガレージハウス”に暮らしている。所有車はこのロータス エリーゼ、トランポ用にトヨタ ハイエース、そしてバイク3台。なんと計14輪生活! 「走ることに取りつかれている」と言っても過言ではない。
ちなみに、ロータスのボディカラーは黄緑、ハイエースのボディカラーはダークグリーン。そして、ロータスの鍵にはドクターイエローの新幹線ストラップが付けられていた。

走ることは、手放すこと
「黄色と緑、好きなんですかね。言われてみれば、確かにそうかもしれません」
3代目ロータス エリーゼは、中村さんの“走る本能”が行き着いた先だ。軽さを追求し、運転の楽しさを凝縮したそのマシンには、飾らない性能美と、ドライバーの技量を問う厳しさが共存している。それでも中村さんは、そのすべてを楽しみながら受け入れている。
「走って景色が後ろに流れるたびに、何かを手放してる気がするんです。雑念とか、疲れとか」 どんな道も、どんなマシンも、どんな日常も、すべてを走ることに変えていく。中村さんの旅は、まだまだ続いていく。

▼検索条件
ロータス エリーゼ(3代目) × 全国
中村さんのマイカーレビュー
ロータス エリーゼ(3代目)
●購入価格/約700万円
●年間走行距離/約5000km
●マイカーの好きなところ/軽い!
●マイカーの愛すべきダメなところ/ちょっと乗り込みにくいです
●マイカーはどんな人にオススメしたい?/意のままに車を扱いたい人

自動車ジャーナリスト
瀬イオナ
車メディアの雑誌編集部員を経て、2024年にフリーランスとして独立。「走って書ける」自動車ジャーナリストを目指して修行しながら、若手ジャーナリストとして活動中している。車業界に入ったきっかけは、某動画で中谷明彦師匠を見つけたこと。現在に至るまで「ドライビング」はもちろん「ジャーナリスト」の心得など業界におけるすべてを教わりながら日々鍛錬中である。趣味はドライブ、レーシングカート、サウナ。
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