スバル レガシィ B4 2009年モデルレビュー・評価

レガシィは1989年に発売された初代モデル以来、ツーリングワゴンが高い人気を集めてきたが、セダンボディのB4も一定の人気を集めている。現行モデルは2009年5月に登場し、2012年5月のマイナーチェンジで外観デザインからパワートレーン、内装の仕様、装備の向上など、さまざまな改良が加えられた。

このマイナーチェンジ後のモデルについてスバルが裾野市で開催した試乗会に出席し、メディア関係車向けに用意された試乗車に試乗した。

今回試乗したのはB4の2.5iアイサイトだけだが、ツーリングワゴンでは2.0GT DITに試乗したほか、マイナーチェンジ前のモデルではさまざまなグレードに試乗しているので、グレードを絞らないレポートとしたい。

外観デザインはフロントグリルの部分が変わった。飛行機の主翼をイメージさせるバーが一段と力強いものになり、引き締まった表情になったのが印象的だ。前からくるレガシィを見ると、ひと目で新型であることが分かる。

水平対向4気筒の2.5Lエンジンは、マイナーチェンジで新世代のものに変更され、同時にCVTのリニアトロニックも改良された新世代のものになっている。

エンジンは中低速域のトルクが向上したことで、アクセルを軽く踏んだときのレスポンスが良くなった。リニアトロニックの変速もより自然なフィールになり、スムーズな加速を実現している。走りの質感が向上した印象だ。リニアトロニック方式のCVTに特有の騒音も気にならないレベルにある。

エンジンにはアイドリングストップ機構が採用され、燃費の向上につなげている。レガシィB4は全車ともAWDであるため燃費面では不利になりやすいが、試乗した2.5iアイサイトと2.5i Lパッケージは14.4km/Lの燃費を達成し、エコカー減税の対象車になっている。

足回りも改良されてハンドリングや乗り心地が向上しているとのことだが、このあたりは従来のモデルと同時に乗り比べないと分かりにくい。ただ、サスペンションの取り付け剛性の向上など、スバルはマイナーチェンジでも中身の濃い改良をしっかりと実施することで定評がある。額面通りの向上が実現されたと思っていいだろう。

セダンとしての居住性やトランク容量などの基本性能は従来のモデルから変わらないが、装備面ではアイサイトが進化してバージョン2の仕様になった。応答性の改善やアイドリングストップ機構との協調制御などが実現されて安全性を高めている。

試乗車は本体価格は274万円だが、カーナビをオプション装着すると車両価格ベースで300万円を超える。決して安い買い物ではないが、それなりの値打ちのあるクルマだと思う。